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2008年09月16日

中国が方向転換: ついに利下げを断行


大変大きなニュースだと思う。

これまでの金利引上げを繰り返しながらの金融引締めスタンスで終始臨んできた中国当局。
予想通り、大きな政策転換に打って出た。
今回の利下げの対象は、金融機関から企業への貸出で適用される法定貸出金利であり、
実に6年7ヶ月ぶりに下げるということ。
大きな方向転換である。

週末の米リーマンが破産申請へ動いたというニュースは
資本市場にかなりの「ショック」を与えよう。
買い手が数社名乗り出ていただけに、この結果は大きな驚きである。
ビッグニュースだ。
ただ、今回は米政府がこれ以上の「救いの手」を差し出さないようにした、
よく辛抱した結果でもあるという評価もありうるのかもしれない。

週末に発表されたもう一つのニュース。
中国の方向転換を内外に明示した利下げのニュースの方が、
実はもっと世界経済にとってもっと大きな影響を与えうる「驚き」だったのかもしれない。

これまで前回や前々回にみてきたように、
社会主義国にとって最大の課題である失業問題の深刻化は決して放置できない、ということ。
世界第4位のGDP規模を誇る中国のGDPのうち、
かなりの比重を占める輸出と投資(固定資産投資)の世界で見られる大きなブレーキ現象だけが、
問題にされているわけではないと思う。

世界経済成長の「鈍化現象」に対してどう対応すべきか、ということではない。
相手は13億人(うち7億人超が農村で生計をたてているといわれる)の庶民である。
彼らが、実際その結果どう影響を受け、どこに「ひずみ現象」があるのかが
中央政府にとって最優先されてこよう。
失業が社会問題化したとき、または株式や不動産価格の急落により
資産価値の急減が社会問題化したとき、事態が混迷化してくるのである。

今は、それらを未然に回避するための政策ミックスが求められているのではないだろうか。
最低賃金の引上げや実質減税策など、消費をテコ入れするような政策も検討されてくるのかもしれない。

暫くは消費関連のコア銘柄を中心に安値を拾っていきたい。


                                 (大原 平)


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