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2008年10月07日

ベトナムハノイ近郊進出 人材採用・確保 問題点


ハノイ労働市場背景
多くの外資系企業が進出、その周辺には多くの工業団地がある。

工業団地開発
タンロン(住友)ハイフォン(野村)といったハノイ近郊だけでなく、
ハイズン省(ハノイから約60キロ)、ナンビン省(同100キロ)、
ハナム省(同120キロ)にも及ぶ。
 インフラ(電力・交通等)問題
  都市部から離れると未だ整備進まず

都市部近郊の問題点
 ハノイ近郊の工業団地では、労働力の需給関係バランス(地域住民=供給)
 (工場が必要とする労働者=需要)が崩壊し、人員確保が出来ない。

人材採用問題点
マネージャークラス人材
 経験不足(教育でカバー可能)
  人材はいる(VN人をマネジメントできる)
  国際的なマネジメント経験不足
  業務経験不足
 上級人材の不足
  実務処理能力 OK(言われたことはやる)
  レポートの作成 ×
  マニュアルの作成 × →まとめること、自ら考えること等不得意
 ベトナム人特有の性格
  独立心旺盛(40歳くらいになると自ら経営したと独立)
  工業団地で働きたくない(ハノイ市内で働きたい=日本人も同じ?)
 需給バランス
  引く手あまたですぐ転職(教育する意味がない)

ワーカー人材
 規則不徹底(③交代シフトがいやで、職場放棄)
  →給与UPで対処も解決は難しい
 労働争議(ストライキ)
  →08年30%を超える物価上昇
 背景
  仕事を辞めても生活できる
   →実家に帰り、農業に従事(家賃・生活費ゼロ)

人材確保のために
 マネージャークラス
  教育(上級人材には魅力的)
   日本で教育すべき
    →日本の環境に慣れさせる
    →途中で投げ出せない環境づくり
   契約は不可欠
    →教育後数年会社に勤務する契約は必須
     →逃げるケースもしばしば
      →あらかじめデポジットを取る必要
   問題点
    すぐに逃げる(日本でも同様)
    契約が意味を成さない

まとめ
 ・人件費の安さを求めた進出には限界有。
   →既に進出している企業で、需給バランス(必要労働者と供給可能労働者)を
    既に崩壊させている。
   →日本で人材確保困難で、日本と同等水準の賃金を支払う覚悟があれば、
    これから進出することも検討されたし。
 ・人件費を求め新天地を開拓し続けるビジネスモデルの崩壊近し
   →安い賃金を求め新天地開拓
    →労働需給バランス崩壊
     →さらに安い賃金を求め更なる新天地へ
      →いつかは新天地消滅…

結論
 多くの人材を雇用しなければならないビジネスは”人”それ自体がリスクである。
 人を採用せず延びてゆくビジネス。そんなビジネスに投資したいものである。
 

大木健司(Kenji Oki)
株式会社ブルーチップ・コンサルティング

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