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2008年12月22日

ベトナム進出企業 直面する問題と改善策


ベトナムで活動中の日本企業92.6%は、
事業拡大を予定している(ジェトロ調査)。
中長期的に見て、ベトナムは
アジア地域の生産拠点として評価される一方で、
さまざまな課題も存在している。

1)高騰しつつあるコスト
コストの安さを武器に成長してきたベトナムだが、
人件費、賃貸料、運送料など
全てにおいて、高騰している。

例えば、オフィス賃料。
ついにハノイ市はアジア地域第5位となった。
ホーチミン市の外国人向けの賃貸物件も同様に
高騰している。

また、物流コスト。
ベトナム振興開発地域のダナン市でさえ、
上昇は止まらない。

2)有能人材不足と、教育に対する認識
現在、ベトナムの優位性は
人件費の安さである。
しかし、それをマネージメントする人材や、
高度技術者の育成は、全く注視されておらず、
慢性的な高度人材不足は解消傾向にない。

このような問題が、
事業の拡大や生産性改善を
大きく阻害している。

3)不明瞭な法体系
ベトナムの現場を混乱させる要因の一つに、
不明瞭な法体系がある。
例えば、企業設立には約50日もの日数が必要である。
税関手続きも複雑すぎる。
こういった要素が、官僚たちへの汚職の遠因ともなっている。
改善の傾向は見られるが、
その動きは経済発展に比べ遅すぎる。

外資誘致のみならず、
誘致後の活動や展開の円滑化具体策実施など、
早急な抜本的解決が必要だ。

郷に入りては郷に従え
日本人は几帳面で、注意深く、
見習うべき点も多い。
しかし、海外に進出し、活動するには
日本的な考え方のみでは、決して上手くいかない。
“郷に入りては郷に従え”
ぜひ、現地・ベトナムのやり方も理解すべきだ。

これは、「賄賂が必要」とか、悪習慣を見習え、
などということではない。
ベトナムのみならず、
海外では、日本では考えられないことも発生する。
現地の意見も取り入れて、
参考にし、注意すべきだという意味だ。

このような姿勢は、アクシデントやトラブルを回避する第一歩だ。

円滑なベトナム進出の為に
スキルやシステムを伝えるために、マニュアル化は必須である。
マニュアル化は、現地マネージャーや、熟練技術者の不足を補う、
有効な手法の一つだ。

仕事の流れ(システム)や、方法(手順)を書面・図式にし
各自が業務の全体像を容易に把握することが、
スムーズな人材育成につながる。

マニュアル化で、作業の分担、分業化を図ることで、
はじめは簡単な作業⇒徐々に複雑な作業という、
新規人材の段階的育成や
不足しがちな熟練者を適切に配置しながら、
指導や管理が可能になる。

すべての業種、業態に導入はできないが、
この考え方は、さまざまな場面で活用できる。

ベトナム国内の今後の景気情勢も、
決して楽観視できず、
厳しい局面を迎えると予想される。

そんな中、国内、周辺諸国との競争を
勝ち抜くために、
国や景気環境に頼るだけでなく、
内外のパートナーと連携し、
これら諸問題に立ち向かう必要がある。


(タン)


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