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2009年04月07日

ベトナムの成長潜在力は?


止まらぬ景気減速

第1四半期が過ぎても経済の鈍化は止まらない。
・インフレ高騰による個人消費の冷え込み
・資金不足による中小企業相次ぐ活動停止
  中小企業の倒産     7,000社超
  ホーチミンの失業者数  26,500人、
  就労時間を削減された労働者 15,000人
・輸出の激減
・内外需の落ち込みを受け、鉄鋼業生産は前年割れ
・海外からの訪問者数の低下
近々に劇的な回復を見せる要素は見当たらない。
また、楽観的であった、1年以内に失業を懸念する率も
08年9月 9% ⇒09年1月 86%
 大幅上昇している。

周辺国と比べれば、比較的健闘?

1-3月実質GDP成長率は、前年比+3.1%(過去最低水準)と、
落ち込んだものの、
・輸出急減
・民間消費の冷え込み
といった同条件の打撃を受ける中で、
大幅なマイナスに陥ったシンガポール、台湾等周辺諸国に比べれば、
健闘はしている。

企業にとっては良い側面も

その一方で、昨年初めから頻発していた、
インフレを起因とするストライキの多発が解消され、
仕事確保を優先する労働者が増えたことは、
離職率の高いベトナムにおいては、良い傾向だ。

薄れるベトナム投資の魅力

 度重なる最低賃金の引き上げ及び、従業員への保険加入義務化は、
大幅な賃金上昇を招き、ベトナム投資の魅力を大幅に低下させている。

外国人訪問者減

・アジアからの観光客減少
・アメリカからの訪問者 前年同比17.2%増。
※上記80%が越橋(在外ベトナム人)
 ビジネスマンの短期観光ビザでの入国も激減しており、
 経済の中長期的な停滞を垣間見る事が出来る。

政府景気刺激策、即効性は期待できず

ベトナム政府は、減税・免税、利子補給といった補助金政策を実行。
また、赤字国債を原始とした、地方のインフラ開発を発表しているものの、
実施までには、相応の時間がかかると見られ、
景気の押し上げ効果は、早くとも第3四半期以降になる。

止まらぬ汚職に、日本がODAを止めたこと。
年に30%を超えるインフレ。
昨年までであれば、汚職体質改善や、政府の政策ミス等、
世界的な好景気とベトナムブームに支えられ、
指摘されてもなんのその。
聞く耳ももたずの強気一辺倒であぐらをかいでいれば成長できた。

また、高経済成長下、ベトナム人は、
高度人材、工場労働者に限らず、自己研鑽、責任感なく仕事をしても、
いくらでも仕事が見つかった。

この世界経済停滞を受け、ベトナム政府が、
そしてベトナム人たちの意識が、どの様に変わってゆくのか。
今後、日本が中長期的にベトナム付き合うべきか否か。
苦しくなってきた停滞期の対応を見て、潜在力を測ってゆきたい。


(森口)

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