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2009年07月14日

ベトナム小売「戦国時代」の幕開け


騒がれるベトナム小売市場

既に進出済のメトロ(ドイツ)、ビッグC(フランス)、
パークソン(マレーシア)などに続き、
日系ではダイソー、ファミリーマートが進出、
Sharpは独資販社、ブラザーは大幅拡大を予定。
大手小売代表、ウォルマート、カルフール、テスコ、
日系デパートや越大手サイゴンコープが、
8,500万人の市場を狙っている。

過去約10年で、スーパー200店舗、
ショッピングセンター300店舗がオープン、
外資コンビニ参入は10社以上。
09年5月までの小売・サービスの売上は
前年同期比較+21%(物価上昇率含む)。

豊かになるにつれて、購買欲は高まり、
目新しい物、品質の良い物を欲する。
便利さの追求に加え、〇〇店で買い物が出来る
ステータスも魅力、次々と参入する外資に、
ベトナム小売市場は「戦国時代」到来と騒がれる。


栃木に見た!ここの差別化=街の活性化

ちょっと話はずれるが、先日栃木出張時のお話。
初日宇都宮。もちろん、餃子店をはしご。

1軒目。知名度NO1、複数店舗展開“みんみん”
地元でも大人気、行列に期待大も…。
2軒目。老舗味噌屋餃子店、青源。
空席目立つも、味噌ダレが旨みを引き出し、納得満足。

聞き込みや、噂情報を総合し、
1軒目の“みんみん”を選択。
“がっかり”ではあったが、その集客力たるや抜群。
老舗ネームバリューもあるが、それだけではない。


街としての取り組みも

餃子MAP配布、グッズ販売、駅前レンタサイクル等々。
観光客に優しい街(分かりやすく手軽に溶け込める)づくり。
過疎化が進む地方都市にありながら、
餃子の街としての 宇都宮 知名度は、全国レベル。
餃子各店も味や店の雰囲気の差別化を意識しており、
「はしご」を楽しむに値する。

さらに一歩奥地の那須。
かつては、不毛の地とされ、政府が払い下げ、
その開拓には満州帰りの酪農家の努力が。
現在では、近年開発されはじめた軽井沢といった風情。
アウトレットはカーナビに表示されず、探す事に苦労したが、
他のアウトレット(佐野とか)と違い、
地元原産の野菜や、加工品が多く、
少しでも“那須でなくてはならない理由“を作ろうとする
気概が伺える。
避暑地、豊かな緑。温泉、那須牛・・・
街道沿いには洋館のチーズ・ワイン専門店が大盛況。
裏をあけると、輸入品だったりするわけだが、
街のブランドがなせる業。

那須だらけ、那須らしさあふれる”楽しさ”と、
都会では味わえぬ非日常に、興味本位の観光客は、
リピーターとして再度那須を訪れるだろう。


ベトナム 「何もしなくても売れる」時代

一方ベトナム。差別化、PR、なし。
需要が供給よりも大きい、成長続くベトナムではあるが、
特徴や差別化が無い店舗では、マーケティング、規模の経済性で
優位に有る外資系大型店舗を差し置いての成長は難しい。

たまたま通りかかったから買う、パパママストア。
なんだか色々あるから赴く情緒漂う市場。
あふれる食材に根本的な豊かさをベトナムに感じる一方で、
マーケティングや差別化をはかり過ぎても
消費が伸びない日本に、国土の貧しさを感じずにはいられない。


街としての取り組み皆無

日々の清掃。旧市街地の開発制限、
ホテル料金引き下げ通達等々。
国や街として何かやっているようだが、
インフラ整備以外の取り組みを全く見る事が出来ず、
市場開放時に国内企業が疲弊してゆく事は明らかである。


これからでも狙える!ベトナム内需

日本は本格的な少子高齢化時代を向かえ、
日本国の成長のために、市場を海外に求める事が
不可欠な時代に突入した。

ベトナム市場は、内需拡大が必須でありながら、
経営効率が低い。有望マーケットとして日系企業が
新規参入してゆくことは、日本国の成長にも必須である。


勝敗は、第四次産業で

今後、よりいっそう外資参入&競争激化が予想される。
“需要<供給”時代もそう遠くないうちにやってくるだろう。

日本の地方都市の取り組みと、ベトナムの現状比較時に
ベトナム成長の問題点と、参入方法が見えてくる。
①地域PR
②個別PR
③差別化 
多くのベトナム企業は有効に打ち出せておらず、
地域の潜在的な強みを差別化として活用するための市場調査は、
内需を狙う日系企業にとって不可欠。

ベトナムブームが去り、同じような論調になりつつあるはあるが、
それでも、同じ事を言い続けたい。

ベトナムは、成長を続けてゆく有望なマーケットであり、
新規進出に、遅くない。
ベトナム小売戦国時代はこれからである。



   (福田)

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