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2008年08月26日

商業銀行設立 鎮静化


10年前のベトナムで活動する商業銀行の数は現在とほぼ同数。
1997年に、全国で国営商業銀行は4社、
民間商業銀行株式会社(農村銀行も含む)は51社、
外国銀行(合弁会社を含む)は23支店あった。

この10年間に、ベトナム商業銀行は、1997年には倒産危機に陥り、
国家銀行が銀行新設を許可しないという問題に直面。

2008年5月までに、全国で4つの国営商業銀行(民営化されたばかりの
Vietcombak、新設の政策銀行)と36社の民間商業銀行、
外国銀行の44支店がある。
この数字は、この10年間に商業銀行の数が大幅に減少した
(数社は倒産、数社は活動許可を取り消された)が、
外国銀行の支店が大幅に(23支店から44支店に)増加した
ことを現している。

「銀行化」に積極姿勢を見せず

2003年から2007年まで、11社の農村商業銀行が都市銀行に変更したが、
新設の都市銀行は2社のみ。この10年間でベトナムのGDPは2倍に
増えたが、銀行の数は16.6%増に留まっており、国営銀行は増えていない。
民間商業銀行は29%減(農村銀行が90%以上減)、
外国銀行、外国合弁銀行の支店が82.6%増となった。
従って、現在活動している商業銀行の数は、8,000万人の人口
及び700億ドルのGDPを持つベトナムにとっては不合理だ。

タイはGDPが1,800億ドル、人口は6,500万人を有し、
商業銀行は34社(1997年、金融危機のため、銀行数が63社から
半減した)、外国銀行は18支店ある。
タイの商業銀行の総資産は3,100億ドル以上であり、
そのうち、16社の総資産が2,770億ドル。これはGDP(2004年)の
1.5倍である。

これに比べ、ベトナムの商業銀行35社の総資産は約400兆ドン
(250億ドル)。GDPの35%しかない。ただ、数を比較すると、
タイの商業銀行はベトナム銀行より数倍幅広い活動ネットワークを
持っている。1997年の年初、タイの商業銀行は16社のうち、
Krung Thai BankとThai Military Bankだけで全国に1000支店を
持っていたが、2008年にベトナム最大の民間商業銀行3社(ACB、
Sacombank、Dong A Bank)は514支店のみ。11年前の
Krung Thai Bankの支店数(640支店)より少ない。

人口及び銀行の数に対する理想的な比率というものはないが、
経済分析者によると、健全に活動している銀行数/人口の割合が
多い国は発展が早い。
アメリカでは1999年、8011社の商業銀行があり、55兆4千億ドルの
資産を保有していた。ベトナム商業銀行は、どの角度から見ても
経済全体をカバーしきれていない状態だ。
ベトナムでは「銀行化」がまだ積極的に行われていないため、
ドル化の状況及び現金化の状況は、ベトナム経済では一般的だ。
この状況は国家金融政策の実施及び国民の有余資金調達に対し、
消極的な影響を与えている。

ベトナムの銀行問題は、「基準に達する銀行数を確保し、
管理を良くして倒産を防ぐ」ことではなく、
銀行が健全な活動に取り組み、あるいはそれを開発することである。

これらは、農村から都市まで、活動ネットワークを拡大するために
必要なことであり、投資開発のために国民から資金を調達することで、
預金を活用できる。また、ネットワークを通じて
必要な資金が都市だけでなく、貧困問題のある農村にも供給される。
ベトナムの商業銀行は、誕生した時から完全に「都市化」している。
この状態は、経済全体の利益のためではないだろう。
この動きは、都市と農村の格差を作る要因でもある。

銀行の農村離れと都市化

農村銀行はほぼ全国的に存在していない。
正式な資料によると、現在メコンデルタ及び東南部で
1社の農村商業銀行しか残っていない。
実際、以前あった農村商業銀行は、本当に資金を必要としている
農民に対し、資金活用をしておらず、「都市化」傾向になっていた。
これらの銀行は、証券売買や不動産投資活動など、リスクが高い活動に
積極的に参加していた。

農業・農村に対する貸付は農業農村開発銀行のネットワークに任せている。
ただ、この銀行も積極的には行っていない。
この国営銀行は、農業、農村開発に対して、資金貸し出しを望んでいない。

この1年間で民間農村銀行のオーナーは、
農産の加工・販売に対する個別の貸出活動の代わりに、
銀行株式の売買、証券の売買に注目している。
これらの銀行は、都市銀行になるために大企業と提携する戦略を企て、
出来るだけ早く都市銀行になることを希望している。

また、銀行の新設許可の発給はまだ厳しい状態のため、
多くの企業、投資家は、この機会を利用して、都市銀行に変更する
見込みのある農村銀行に投資している。
購入できる農村銀行がなくなると、投資家が新しい銀行の設立申請を
始める。農村銀行の購入や銀行の設立申請をする投資家は、
大きな利益を早く作ることに注力し、長期的な視野を持って
銀行の発展に貢献することをあまり考えていない。

ベトナム及び外国の経済分析者が強く印象を受けたのは、
ベトナムの商業銀行数がブームのように増えたことである。
まず、国家銀行の許可により、農村銀行が都市銀行に変更。
その後、2007年には銀行の設立申請書類が増えた(25社の
ベトナム銀行、33社の外国銀行)。
次に、この1、2年の銀行の株価が急上昇したことで期待が
高まった。

ただ、現在は銀行の「ブーム」がなくなり、新しい銀行を設立することは、
チャンスではなく、大きな挑戦だ。人材不足の問題だけでなく、
経営能力、リスクの管理能力、技術投資、激しい競争環境、
インフレ抑制に関する厳しいマクロ経済政策などの問題もある。
また、銀行の株式は、他企業と同様、実際の価値に戻った。
今まで銀行の設立に熱心だった者達は、冷静になった。

この背景で、銀行の設立許可の発給が中止になったことは、
最も期待されていたこととも言える。通常、行政的な対策は、
関係者の支持を受けないが、国家銀行による銀行の設立許可発給の
中止は例外である。この決定は、設立見込みの銀行の関係者や
ベトナム経済分析者、外国経済分析者に支持された。

今回の中止決定は、国家銀行が銀行を健全化するための準備段階である。
この決定は臨時の方策であり、ベトナムの銀行は農村市場から脱し、
将来の厳格な決済方式、金融市場オープンに関する競争にも
立ち向かわねばならない。


ベトナム通信社  2008年8月25日


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