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2010年12月20日

ベトナムでの投資銀行開発傾向は


ベトナムでは、投資銀行(IB)はまだ新しいが、
数社の証券会社とファンド管理会社が
IBの簡単な業務を展開している。


近年、ベトナム資本市場の急発展や大手国営企業の民営化は、
外国投資銀行に大きく注目されている。
多くのベトナム財政機関も、投資銀行の形態で
発展戦略の方針を企てた。


IBに関する全体背景

証券会社、ファンド管理会社ともに、
営業形態を財政グループや総合銀行に変更している大手商業銀行も、
IB開発を重視している。

具体的にはSai Gon証券株式会社がIB形態の発展戦略を立てた。
Vietcombank、Vietinbank等、民営化済みの国営商業銀行も、
総合銀行の形態で発展させるためにIB活動に力を入れている。

ただ、ベトナムではIBコンサルティング業務がまだ原始的であり、
独立的なIBの仕組みがまだ形成されていない。


外国IBのベトナム参入

ベトナム政府が引き続き正しい経済対策を実施すれば、
国際金融危機の影響や国内マクロ経済の難題があろうとも、
ベトナムの資本市場の発展展望は大きい。

国営企業の民営化をはじめ、資本市場の発展は、
IBに対して企業コンサルティング、証券発行保証、
証券仲介、証券投資コンサルティング等の機会を与えている。

ベトナム資本市場の急発展とともに、
2006年より外国投資銀行(IB)がベトナムに参入し始めた。
これはブランド力向上や、政府や政府関係機関、国内外提携企業との
戦略的な関係の構築するための重要な始まりである。
WTO加盟の公約により、2012年より外国投資銀行が
ベトナムで100%子会社を設立することができるため、
これまでの外国側の動きが重要となる。
クレディ・スイス、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、
J.P. モルガン、野村証券、大和証券等、世界で知名度が高い投資銀行は、
ベトナムに参入済みで、2007年より外国証券合弁会社も誕生し、
IB形態で開発する方針を持っている。

2008年ベトナム投資銀行分野への出資状況
外国投資銀行ベトナム証券会社出資率(%)
Technology CX(Cayman)Au Lac証券株式会社0.49
VietBridge (BVI)Tan Viet証券株式会社0.3
RHB (マレーシア)Vietnam証券株式会社0.49
Morgan Stanley(アメリカ)Morgan Stanley Gateway Securities0.49
Morgan Stanley (アメリカ)石油財政会社(PVFC)0.1
ANZ(オーストラリア)SSI証券0.1
大和証券(日本)SSI証券0.1
Golden Bridge(韓国)Click & Fone証券株式会社0.49
Kim Eng Holding Ltd (シンガポール)Kim Eng証券株式会社0.49
Vina CapitalVina Securites証券株式会社0.49
Indochina CapitalMekong証券株式会社0.49

現在、個人投資家の取引口座は人口の約0.7%(中国では人口の約8%)。
これに加え、経済成長や国民の所得増加により、
ベトナムでのIB市場の長期的な発展潜在力が大きい。

ただ、アジア地域の他の市場と比べると、
ベトナムでは証券会社の数は多いが(シンガポールが26社、
マレーシアが33社、タイが39社)、ベトナムが100社以上)、
個別的に活動し、長期的な発展戦略が殆どない。

そのため、証券会社間の合併・買収は、今後積極的に行われ、
100%外国証券会社と競争できるような、
より強い投資銀行が形成されると見られる。


管理体制の「弱み」

ベトナムは信用格付け評価機関が不足している。

主な原因は、ベトナム証券法が社債を発行する時に、
信用格付けを確定する必要がないことと、市場の需要が依然高くなく、
信用格付け評価機関を設立する余地がない。

現在、ベトナムには一つの信用情報センター(CIC)しかない。
同機関は国家銀行に属し、ホーチミン証券取引所と
ハノイ証券取引センターの上場企業の信用格付けを評価している。
ただ、CICの信用格付けのサービスが効果的に活用されていないため、
まず、ベトナムは、社債発行に当たって信用格付け確定義務に関する
政策を適用する必要がある。

同時に企業、特に商業銀行と財政会社が国際基準に基づいて、
信用格付けの評価をし、評価結果を公開する必要がある。

ベトナムへの外国間接投資資金導入に対して影響を与えることは、
証券市場の透明性である。
アジア地域の他の国では、インフレのブーム的上昇を抑制するために、
外国投資資金の導入を制限する対策を考えているが、
ベトナムの場合は、外国投資家に対する様々な支援策を適用したが、
ベトナムへのFII資金の導入がまだ弱い。

世界銀行の調査によると、この2年間、
ベトナムの投資家保護の格付けは低い(2.7点/10点満点)。
資本市場は投資家の信用によって発展していくものであるため、
外国投資家の信用を高めるために、より大きく努力する必要がある。

また、証券発行保証、M&Aコンサルティング等の
業務を実施する人材はまだ不足しており、知識も低く、
経験が浅い。
一連の国営企業、例えば、ベトナムミルク、Sai Gon証券、
FPTグループ、Sai Gon Thuong Tin銀行株式会社、Vietcombank、
Vietinbank、石油グループの子会社は、
民営化計画を実施するとともに、外国市場に上場する計画もある。

また、国内外の大規模の社債発行、ベトナム政府の外貨国債発行の
需要も高まっている。



Vneconomy.net  2010年12月20日

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