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2012年04月05日

ベトナムの金利は世界一


長年にわたって世界で最も高い金利制度が続くベトナムでは
企業の運営が銀行からの借金に依存するため、資金貸付が
制限されると多くの企業が倒産する。


長期化する高金利状態

ここ数年間、ベトナムの銀行システムでは貿易に対する高額な
貸付金が続いている。特に、2011年と2012年の第1四半期には
貸付金利が例年を20%も上回り、中国、タイ、マレーシア等の
アジア諸国より3倍~4倍も高くなっている。

国家銀行の最新統計によると、2012年3月のVND貸付金利は
高騰化を持続。具体的な数字を挙げると生産・営業に関わる貸付金利が
年間16.5%~20%で推移しており、非生産分野に対する貸付金利は
年間20%~25%となっている。農業、農村開発、輸出等の優先分野への
貸付金利も年間14.5%~16%の間で変動しており、商業銀行株式会社の
貸付金利が下がる兆しは一向に見えない。

国家財政政策顧問審議会のLe Xuan Nghia委員は、現時点における
年間20%の金利によって、ベトナムが世界最高の貸付金利制度を
持つ国になったことを明らかにした。

投資開発銀行取締役会最高顧問のCan Van Luc氏は「これほどの長期間
ベトナムが高金利の状態を続けることは珍しい。現在、中国の貸付金利は
年間5%となっており、インドネシアも同様である。シンガポールは
さらに低く、アジア地域の貸付金利は年間で平均6%~8%である。
この金利は各国における中央銀行の公定歩合であり、ベトナム国家銀行の
年間13%、貸付金利の年間16%と比較すると非常に低い」と述べた。

下がらない金利

国家銀行は3月13日付けで公定歩合を年間1%に引き下げた。その直後、
各商業銀行はVND調達金利を年間13%に引き下げたが、企業への貸付金利は
年間2%~4%しか下がっておらず、17%~19%で推移している。

Le Tham Duong博士によれば企業に対する貸付金利が下がらない理由は
銀行が資金の清算能力(流動性)を確保するため、調達した資金を企業に
貸し出さず、国債を購入するか銀行ネットワーク市場で貸し付けるからだと
している。国家銀行の統計では3月における銀行ネットワーク内の取引額は
1月と2月で660兆VNDまで増加した。銀行ネットワークで貸し付ける場合、
担保資産があって貸し付け期間が短く、資金の回収が早いため、銀行資金の
流動性が影響を受けない。また、現在は多くの銀行が株式会社になっており、
株主からの圧力を受けている。さらに、不良社債の比率が高くなっていて
予備資金の充当が高まっている。

Vneconomy.net  2012年4月5日

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