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2012年06月14日

外国投資ファンドの視線、インドネシアに集中


ベトナムで活動する民間投資ファンドと外国投資ファンドの
新規開設に向けた動きが6月に入っても見えてこない。
また、外国投資ファンドの注目がインドネシアとミャンマーに
集中する傾向が強まっている。


今のファンドはNAV(比純資産)割引が大きいが、
この傾向は2012年末又は2013年の頭まで続きそうだ。

資産ゼロの可能性も

イギリスの LCF Rothschildが6月5日付けで発表した
全世界で活動する100ファンドの業績によれば、
ベトナムで活動する外国投資ファンドのNAV成長率は
マイナスとなっており、PCA Vietnam Segregated Portfolioと
Vietnam Resource Investmentの比NAV割引は
それぞれ-21,2% と-27,5%(2012年6月5日時点)で
特に民間投資ファンドでこのような状況が顕著に見られる。

ベトナムの民間投資ファンドが業績不振を受け、
国際投資家には新たな資金の出資を控える動きがある。

先頃、民間投資ファンド管理会社のFENM(デンマーク)の
Hans Christian Jacobsen社長は「PENMIIIファンドは
ベトナム民間企業投資専用の14,350万USDの資金を調達できたが、
具体的な投資計画の発表はまだできない」と述べた。

これと同じくDragon Capitalが2011年第4四半期に
民間投資ファンドに1.5億USDの追加調達計画を発表したが、
時間の経過とともに忙殺されている。

VinaCapitalとMekong Capitalも新規開設に難航している。
VinaCapitalの民間投資ファンド開設計画はまだ実行あれておらず
ベトナムで一定の成果を上げたMekong Capitalも
2011年にMekong Enterprise Fund IIIの調達計画を展開したが、
資金を集められていない。

投資資金はインドネシアとミャンマーへ

新規投資ファンドの開設が困難な状況について、
TNK CapitalのTran Vinh Du専務はマクロ経済の不適切な状態、
証券市場の不安定、アジア経済の下落という3つの原因を挙げた。

インフレと金利の下落が加速しているのは前年同様である。
2010年は貸付金利が年間15%、調達金利は10~11%に下がったが、
年末には18~20%まで上昇した。今年は2010年と同じ傾向だ。
そのため、経済状況は不安定な状態となっている。

ベトナムにおける新規投資ファンドの調達計画は実行困難だが、
インドネシアとミャンマーでは資金の調達を競っている。

最近になって米Wall Street Journal紙は
インドネシアが新たな経済発展の中心として外国投資ファンドの
関心を集めていると報じた。

Texas Pacific Groupのインドネシアにおけるパートナーである
Northstar Pacific Partners(米)は2011年に8億USDを調達した。
このファンドはインドネシアの民間企業に対する投資である。
また、その他の投資ファンドも2012年中に外国投資家による
約10億USDの投資委託資金に期待を寄せている。

インドネシア初の民間投資ファンドとなったSaratoga Capitalの
創立株主であるSandiaga Uno氏は「2005年~2006年に
初めてアメリカからの資金を調達した。当時はインドネシアに
投資する人が誰もいなかった。だが、今はインドネシアが
世界の中心になっている」と述べた。
現在、このファンドはインドネシアで30億USDを管理しており、
今年中に4億USDを追加で調達する予定だ。

市場調査会社のDealogic(英)によると、2011年は民間会社に
6.5億USDが投資されたが、今後は10億USD規模になる可能性が高い。
これらは鉱山採掘、日用品、インフラ整備、財政分野の
民間企業に導入される。

5月14日付The Financial Timesの報告によると、将来的には
インドネシアだけではなく、ミャンマーも民間投資ファンドの
新たな中心となる。

Leopard Capitalはカンボジアに拠点を置いているが
新たな市場に注目している。また、香港の Bagan Capitalと
Indochina Opportunities (Dragon CapitalとFrontierの
連携ファンド) はミャンマーの民間企業に対して2012年中に
2.5億USDを投資する計画を持っている。

CafeF.vn  2012年6月14日

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