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2012年11月01日

第3四半期で半数が赤字となった証券会社


第3四半期の営業成績報告書によると、証券市場が暴落した影響で
50%の証券会社が赤字の状況に陥っている。


第2四半期との比較では VN-Indexが7%下落し、422.3ポイントから
392.6ポイントに下がった。また、HNX-Indexも22%の下落となった。

第3四半期に証券市場の流動性が大幅な減少を示した。
ホーチミン市証券取引所の取引額は第2四半期の82兆VNDから
41兆VNDに減った。ハノイ証券取引所の取引額は21兆VNDで、
前の四半期より半分の減少となった。

相場の暴落と流動性の大幅減少で、多くの証券会社で仲介、自己売買、
コンサルティング等の部門が大幅に売上を減少させた。最新の統計では
62社の会計報告書が提出され、30社が第3四半期に赤字となっている。

この中には赤字で清算能力を失って営業停止に追い込まれた会社もある。
RUBSE(ゴム証券会社)は22.4億VNDの事業損失によって累計赤字が
421.8億USDに達し、株主資本の400億USDを超えた。
同社の会計報告書によると、売上で12億USDを記録したものの、経費も
26億USDかかっている。第3四半期末現在での同社の資金および資金に
相当する財産は6.83億VNDで、前の四半期より21億VND減った。

国家証券委員会は財政安全比率の低下を理由に、RUBSEの活動を
6ヶ月間で中止した(2012年10月29日~2013年4月29日)。
先頃、Truong Son証券株式会社とHanoi証券株式会社も同様の理由で
活動を中止している。

金額的に最も大きな赤字となっている証券会社はKLS(Kim Long証券)だ。
KLSの赤字は第3四半期に915億VNDとなった。同社は年初6ヶ月の段階では
500億VNDの黒字だった。KLSが赤字に転じた原因は、自己売買の株式が
暴落し、1,200億VNDの準備資金を充当したことである。

他に大きな赤字となったのはSHS(Sai Gon Ha Noi証券)で、第3四半期の
売上は163億VNDにとどまり、前年同期より70%を超える減少となった。
経費は670億VNDだったため、赤字は590億VNDに上る。SHSの累計赤字は
9月末現在で4千億VNDとなっている。

これとは逆に営業成績が黒字になったのがSBS(Sacombank証券)である。
同社は長期にわたって赤字だったが第3四半期で90.7億VNDの黒字に転じた。
年初9ヶ月で記録した1,290億VNDの赤字が9月に黒字となった要因は
営業活動の規模や人件費の大幅削減に加え、自己売買活動をしないことで
準備資金の充当が必要なくなったことである。

現在、SBSは財政安全比率が基準に達していないため、特別監査の対象である。

他にはホーチミン証券、SSI、FPT証券、CTS(商工銀行証券)等の会社が
大幅な黒字を達成しいている。

国家証券委員会によると、証券会社の再構造計画が実施されており、今後は
証券会社の数を減らし、資金安全比率関係の規定が厳しくなる予定である。
各証券会社は四半期ごとに会計報告書を提出しなくてはならない。
現在、ベトナムには99の証券会社があり、7社が特別監査の対象となった。
利用可能資金/リスクの比率は120%以下で特別監査期間は4ヶ月。
期間の終了後、状況が改善されない場合は活動が停止される。
ゴム証券株式会社、Truong Son証券株式会社、Hanoi証券株式会社の3社は
規定された期間で状況が改善されず、活動は以後の6ヶ月間で停止された。

サイゴンエコノミックスタイムズ  2012年11月1日

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