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2012年11月22日

資金流動性問題、解決への道は険しく:財政監査委員会談


ベトナムでの金融機関の貸付資金/調達資金の比率は常に90%以上。
特に外国通貨の貸付資金/調達資金の比率は100%以上に達しており
130%を示す場合もある。


魅力的な小売サービス市場

統計上、1991年の時点でベトナムには商業銀行が9行しかなかったが、
1999年には国営銀行5社、民間商業銀行48社(農村銀行7、合弁会社4)、
26社の外国銀行の支店の57まで増え、2011年現在では52の商業銀行
(国営銀行5社、民間商業銀行37社、合弁会社5社、100%外資の
商業銀行が5社)に加えて外国銀行54社のベトナム支店が存在する。
最近になって民間商業銀行3社が合併したため、現在は民間商業銀行が
35社に減っている。

商業銀行以外にも資金貸付機関はある。それは18社の財政会社、
13社の財産管理会社、1社の小規模な財政会社だ。民間による貸付基金の
ネットワークは中央直属基金1社と一般基金1073社で構成されている。

2011年6月現在でベトナムの銀行には9,670の支店があり、この比率は
1支店あたり9,000人相当で高いとは言えない。このうち、ハノイ市と
ホーチミン市が全体の35%を占めている。バンコク(タイ)では1支店で
1,500人に達しているが、ホーチミン市は1支店/8,000人だ。

つまり、ベトナムでは銀行の小売サービス開発分野で発展能力が大きく、
銀行口座を持っているのは人口の10%程度ということになる。

また、これらの銀行と民間の金融機関は都会で激しく競争している。
争点となる商品は資金調達と資金貸付サービスである。

増加の傾向を見せる不良社債

ベトナムの不良社債には急増する傾向がある。2010年12月時点で
銀行ネットワーク全体の不良社債は2.21%だったが、1年後には
3.1%まで増加した。

そのうち、第2グループの社債は全体の期限超過借金の中でも
70.39%と特に高い比率を占めている。

この数値にはベトナム銀行の不良社債が反映されていない。社債の
分類は国際基準をベースにせず、実際の状況に合わせて行われる。
Fitch Ratingsの予測によると、ベトナム商業銀行の不良社債比率は
現時点で資金貸付総額の約13%を占めている。

ROE(銀行ネットワークの利作り率)は、2009年で15.28% (2009)、
2010年に13.39% ;、2011年では14.26%だ。ROAは2009年に 1.12%、
2010年に1.02%、2011年では1.12%に達している。

厳しさ増す銀行ネットワークの資金流動

国家財政監査委員会の報告ではベトナムにおける銀行・金融機関の
調達資金/貸付資金比率が常に90%を超えている。中でも外国通貨の
調達資金/貸付資金比率は100%を超え、130%近くに達している。

資金流動の状況は厳しさを増しており、銀行ネットワークの市場が
飽和状態となっているため、数社の金融機関が連続的な資金流動性を
失う事態に陥っている。

また、各金融機関のCAR(資金式最低比率)に急減する傾向があり、
大きな問題になっている。営業方針が古く、投資資金の拡大による
成長への期待拡大が原因だ。だが、銀行は主な資金供給ルートであり、
経済を動かす資金の80%が銀行によって供給される。
これが銀行ネットワークの持つリスクである。

外国の経済・金融危機やベトナム経済の脆弱性、不安定なマクロ経済が
銀行・金融機関のネットワークに大きな影響を与えている。

CafeF.vn  2012年11月22日

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