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2012年05月10日

不払い税金は数十億VND ~外国企業の現状~


各地方の税関管理局がまとめた統計によると、
外国人をオーナーとする企業数百社が数十億VNDの税金を払えず
母国に撤退したことが分かった。
中には約20年間も税金を支払っていないケースも存在するが
政府管理機関は、これらを回収できていない。


Diing Long Vietnam有限会社は台湾の会社で
Binh Duong省Ben Cat郡My Phuoc I工業団地が拠点だ。
同省税関局の登録によると、170億VNDの輸入税が未払いのまま。
既に運営チームは全て帰国し、3ヘクタールの工場がそのまま残っている。
工場の価値は約700億VNDだが、銀行から1,000億VNDを借金する際
担保資産となった。

他の地方も状況は同じ

税関総局は4月16日に書簡No.1830/TCHQ-TXNKを発行し、
各省市に外国企業の税金不納入に関する状況調査の実施を求めた。
当初の報告ではどの地方にも税金未納によって
オーナーが母国に帰った外国企業の存在があった。

ホーチミン市税関局の統計によると、このような外国企業は45社あって
未払いの税金は132億VND近くに達している。
これらには輸入税、付加価値税、納入延期の罰金が含まれている。
Vietpam環境有限会社、Compunet有限会社、Planet Wave有限会社は
統計上1998年、1999年頃から税金を払っていない。
また、Sunbird OA Supplies有限会社は8億VNDの税金が未払いのまま。
納入延期の罰金は6.5億VND(納入税金の6倍近く)にも達する。
税金未納額が最も大きい企業はVinh Loi繊維有限会社で約43億USD。
34億VNDが輸入税、残りの9.06億VNDが付加価値税である。

Hai Phong税関局は税金未納入でオーナーが姿をくらました企業を
14件ほど発見しており、未納税金は117億VND近くに上った。
これらの企業は2003年以降に税金納入番号を登録した。
その中ではKenmark投資開発有限会社は付加価値税37億VND 、
輸入税35億VNDの合計72億VNDが未納。
税関局の代表者によれば未払金の納入は規定に基づいて行われるが、
活動を停止して営業登録を抹消した会社が多い。

当局の報告では登録を抹消している税金未納の外国企業は34社で
「行方不明」のため434億VNDの税金回収は困難な状況だ。
税金の内訳はで輸入税が244億VND以上、付加価値税が118億VND以上、
特別消費税が44億VND以上、罰金が27億VND。
これらは1995年から発生しているもので、税関総局の報告では
217億VNDもの税金が塩払われていないケースもある。

困難を極める税金回収

各税関総局は税金を回収するために様々な対策を実施したが
あまり効果は上がっていない。あるホーチミン市税関総局の役員は
税金の未納と未払金の回収は頭が痛い問題だと嘆く。
どの税関局でも3~4人の職員が税金回収を専門に担当し、
企業に通知を出して話をしに赴くが、期待通りの成果が得られていない。

未納企業に対する処理の規定はあるが、実際に適用するのは不可能だ。
理由はオーナーが税金を滞納して行方がわからなくなってしまうと
税関局では探し出せず、口座の残高もゼロだからだ。
残された資産は機械や工場だが、全て銀行の担保になっている。


また、管理の方法にも原因がある。税金回収担当には任期があり、
途中で配属が変わることも多いため、最後までフォローできないのだ。
新任者は状況が分からないので引き継げず、そのことが影響して
数年の期間を経ても解決に至らない場合がある。

担当者が語る主な原因は、規定が実情と合致していないことにあり、
企業側が規定を恐がっていないことだ。

税金を滞納する企業があると税関局と税務局が通知して納税を求める。
しかし、2006年施行の税関管理法第42条によると、
輸出用製品加工産業の税金納入期限は275日まで延期することができる。
これは資材調達加工輸出先方の清算の1周期と同じ期間である。
規定を利用して多くの企業が延期の期間中に行方知れずとなったが
税務局はこれを管理できていないのだ。

この問題は税務局から財務省に報告された。
10年前から他の国に対する税金納入延期制度は廃除されたが、
ベトナム財務省では未だに2006年の制度が適用されている。

また、2006年の税金管理法は納税の延期を認めているが、
企業がリスク防止の目的で銀行口座から保証資金を確保することは
求められておらず、企業は税金の納入義務を持たないことになっている。

サイゴンエコノミックスタイムズ  2012年5月10日

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