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2009年02月27日

繊維産業 輸出不振受け国内市場開拓へ


繊維製品のベトナム国内市場開拓は、
国際経済衰退で困難な状況に陥っている輸出業者にとって必須である。
ただ、繊維分野ではこれまで、90%の企業が輸出製品しか作らなかったため、
容易にベトナム市場を開拓できない状況である。


輸出製品及び国内製品を同時に作る繊維産業は現在、
輸出比率を下げ、国内向け商品の生産を推進している。

長期的な対策が必要

Diep Thanh Kiet-ホーチミン市繊維・刺繍協会会長によると、
国内市場向けの製品を作ったことがない企業は対象市場を容易に変更できない。

実際、この数年間で多くの繊維会社が国内市場の開拓に励み、
またそれを長期的な戦略として捉えている。
各繊維企業は、輸出の利益がベトナム市場の利益より薄いと認識しはじめているのである。

ただ、国内市場向けへと戦略転換すると、企業は自らの弱みに気づく。
具体的には、商品設計/開発が弱い、
原材料調達及び販売ネットワークを自主開拓していない、等である。

Kiet会長によると、現状では、
ベトナム人の需要に合わせる商品設計、市場研究、安定的な販売ネットワーク、
生産開発に関する詳細戦略を構築しなければ、企業は絶対に失敗する。

「ベトナム市場向けの戦略は長期的な戦略であり、
経済衰退を避けるための“小手先の戦略”ではない。」と言う。

これまで繊維産業では輸出活動が積極的に行われたため、
生産能力や資金力に恵まれた企業でさえ国内市場を開拓していなかった。
輸出契約が急減した現在、国内市場の消費力も弱っているので、
販売市場の変更は以前より難しい。
Ha Xuan Anh-Son Viet繊維会社取締役によると、
経済衰退の影響で年初から今までの国内の消費力が平均30%減った。

ただ、人民の所得が減少している今、
一般市場向け製品の加工を行ってきた企業にとっては大きなチャンスである。
これらの会社は国内市場の需要に合う製品を加工する経験をしているからである。

国内市場を保護

Le Quoc An-ベトナム繊維協会(Vitas)会長によると、
2009年の年初2ヶ月間、ベトナムの繊維製品輸出総額は11.5億ドルで、
前年同期より12%減少した。
国際経済衰退はベトナム繊維会社、特に輸出会社の生産、営業活動に大きな影響を与えている。

繊維産業200万人の労働者数(工業生産及び家庭生産)に見合う需要創出のため、
輸出額の目標達成を図ると共に、
繊維業界がベトナム国内の消費を拡大する対策を実施している。

ただ、国内市場の消費を誘うためには各企業が成すべきことが多い。
具体的には、競争力のある製品開発、
マーケットシェアを確保するための営業戦略立案に励まなければならない

実際、これまで国内市場向けに戦略を変えた企業も多いが、成功していない。
失敗した原因は、資金力が弱い、
輸出製品在庫をそのままベトナム市場に販売した、等である。

An会長によると、2月23日にVitasは政府に
ベトナム繊維企業を保護するための「技術的な壁」を作る対策を実施することを要請した。
例えば、ベトナム周辺国からの不正輸入、偽物の輸入、
外国メーカーによる国内での偽物生産、を防止するための「壁」が必要とされている。
また、ベトナムは他の国と同様に消費者の健康を保護するための基準を
外国輸入製品に対して適用する必要がある。
特に、中国からの輸入製品に対してである。

現在、ベトナム全土では約1,500社の繊維会社がある。
Vitasは各企業に対してアフリカ市場はじめ、他の新しい市場を開拓することを奨励している。



サイゴンエコノミックスタイムズ  2009年2月27日

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