旧正月と情報収集ネットワーク~文化に組み込まれた情報交流ネットワーク~
今年もベトナム最大のイベント、テト(旧正月)が始まった。
当社でも1月23日~29日までテト休暇をいただいている。
昨年は決して業績が良かったとはいえない当社であったが、
1年の労をねぎらうべく、ハノイ在住のスタッフ宅へ挨拶回り。
当社ハノイ事務所長に至っては、実家がある郊外?へ挨拶に行くなど、
忙しくも楽しく文化的行事に参加させていただいている。
当社スタッフは業務上、高学歴者が多く、
その友人、兄弟、親類も同様。
海外勤務をこなし、この時期に帰国、という人も少なくない。
台湾、シンガポール、オーストラリアといった周辺国から、
日本、アメリカ、ロシアまで。
業務は、IT関係から石油関連エンジニア等様々。
自宅家電製品を見るに、国際的な給与水準であることは容易に想像できる。
何故、わざわざ実家まで帰るのか、
理由を聞くと中には興味深い答えも。
1、文化・慣習
→テトに帰ることは当然
→両親、親類、友人が待っている
→礼を尽くす(親、お世話になった人)
2、情報交換
→帰国者、他業種の人たちの経験談を広く収集できる
→次のビジネスチャンスを探す
日本ではどうだろう。
ビジネスチャンスや人材等情報収集に、
インターネットや人材紹介会社。
資金調達には、投資会社やエンジェルを使い、
ビジネスを立ち上げることが極めてシステム的に行われている。
一方ベトナム。
旧正月だけに限らず、とにかく集まりや飲み会が多い。
参加することへの垣根は非常に低く、
外国人である私も簡単に参加することが出来る。
90%は友人たちの近況報告や、恋愛話であるが、
その他、各種内部情報や、体験談を耳にすることが出来る。
体系的な情報収集が極めて難しいながらも急速に発展してゆくベトナム社会。
情報が体系的に利用可能でありながら、成長鈍化著しい日本社会。
日々の生活、文化に情報収集ツールが組み込まれているベトナム社会に、
生活の全てが業務につながっているベトナム社会の奥深さを感じさせられた
ベトナムテトでした。
株式会社ブルーチップ・コンサルティング 大木