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2008年07月14日

【金融】ドルが余り、ベトナムドンが不足


外貨資本は銀行へ引き続き流入している。
特に国民のドル貯蔵需要が大きく増加した6月である。
こうした中、各銀行は調達金利を大きく引上げているにもかかわらず、
ベトナムドンによる預金は減少する傾向である。
統計によると、銀行システムの2008年初6ヶ月の外貨資本調達は9%増加した。
主に5月と6月であった。
一方、外貨貸付成長は20%に達した。主に年初4ヶ月であった。
5月と6月だけで、企業の外貨資本貸付需要は減った。

主な原因は、ドル・ドンレートが6月に大きく変動していた後、
各企業は為替レートの変動リスクを心配しているということである。
実際には2008年初4ヶ月で、ドル・ドンレートは大きく下がり、
15,500レベルを下回った時点もあるので、
多くの人はドルをベトナムドンに変換し、
高い金利で預金した。このことは市場の外貨供給を余らせた。
また、ドルを売る需要がある人は、銀行へ手数料を支払わなければならなかった。
通常、この手数料は取引時点の為替レートの2~3%相当である。

しかし当時、各企業は
ベトナムドン資本の高い借入金利(17~18%/年)を避けるため、
ドル借入に変わった(ドル借入金利は8~9%/年)。
このことは、各銀行でのドル貸付の成長を、年初4ヶ月で20%以上へ引上げた。
但し、5月に入り、ドル・ドンレートは回復する兆しがあり大きく上がった。
それに加えてインフレ上昇のため、多くの人はベトナムドン切り下げを心配し、
ベトナムドンをドルに変換し貯蔵していた。

国民からドルを吸収するため、
各銀行はドル預金金利を8.4%/年(12ヶ月期限)へ大きく引上げた。
結果は、かなり大きなドル金額を吸収した。
2008年の第2四半期末の2ヶ月のみで、
外貨資本調達の成長率は9%に達した。
しかし、逆に外貨貸付の成長は同期に大きく減った(特に6月)。
ドル借入金利は、ベトナムドン借入金利の半分しかないにもかかわらず、
企業はドル借入に興味がなくなった。
主な原因は、為替レートの変動リスクが高すぎるということである。
6月、ドル・ドンレートは19,500へ上がった時点もあり、
多くの企業を困らせた。

この時点、各銀行は外貨供給源が余り、
ベトナムドン資本が足りない問題をどうやって解決するか?
という課題に戻っている。
国家中央銀行は、各銀行が取引時点の為替レートで
外貨をベトナムドンへ交換することを許可すれば、
各銀行へ流動性をサポートするという意見があった。

実際には、通貨交換業務(SWAP)は国家中央銀行の決定893号に従い、
2001年より実現した。
この業務の目的は、
市場への資本供給チャンネルを国家中央銀行へ作り、
海外の銀行の支部での、
外貨資本とベトナムドン資本のバランス崩れという問題を
解決するということである。
SWAPの最大期限は3ヶ月である。
しかし、長い間に国家中央銀行はこの業務をあまり使わず、
商業銀行が、ベトナムドン資本が本当に足りないときに限り、
この業務を採用した。

上記の意見について、
アジア商業銀行の社長であるリー・スァン・ハイ氏によると、
インフレを抑制するため、国家中央銀行は、
多くの財政引締め政策を適用し、
流通中の金を吸収したので、
ドルをベトナムドンへ交換することは
銀行の流動性という問題を解決できるが、流通中の金供給が増加するという。
このことは実施されているインフレ抑制目標に反するだろう。

実際には、財政引締め政策は、
ベースレート・資本再供給金利・割引金利の引き上げで続けて実施されている。
銀行間のドル・ドンレートは16,461へ引上げられ、
変動幅も±1%から±2%へ上がった。
年初6ヶ月で貸付は20%以上上がった。
一方、流通中の金は2007年12月と比べ、7.13%減、
前年同期比17.46%減ったので、通貨総額は4.48%しか増えなかった。
本当に需要がある銀行へ流動性をサポートする必要であれば、
上記の通貨交換業務を使用すべきでない。
ある商業株式会社の社長は、
調達ドル資本が増加しベトナムドン資本が減少する
という問題を解決するため、
各銀行は販売促進を行い、
調達したドルの借入需要がある顧客を拡大すべきである
とコメントした。
その他、調達金利を引下げることも考えるべきである。
現在、ベトナム銀行のドル調達金利は非常に魅力的で、
海外から預金に来る外貨を惹き付けている。
FEDが適用しているドル金利と比べ、ベトナムの多くの銀行のドル調達金利は
それより6.4%/年ほど高いのである。
(終)

出典:雑誌「証券投資」7月11日


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