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2008年07月28日

【金融・銀行】銀行の不動産関係貸付


不動産投資貸付・不動産担保貸付(不動産関係貸付)は、
商業銀行の1つの一般的な業務である。
これはリスクが、主に不動産市場の価格変動に依存する投資分野である。
不動産市場が安定して流動性が高い国では、
不動産関係貸付のリスクは低い。
しかし、アメリカのような発展国の市場でさえも、
サブプライムローンによる金融危機が発生した。
ベトナムでは、不動産市場の不況は
銀行が不動産関係貸付によって、
多くの困難に合うという心配を発生させている。

① 市場からのリスク

ベトナムの不動産市場は、大きく変動すると言われている。
2005年~2008年段階、
ベトナム不動産市場は、過熱したり低迷したりした。
2005年、資源環境省は、
不動産市場の不況は、広い規模で複雑に起きていると評価した。
しかし、2007年に入り不動産市場は過熱して、
不動産価格が大都市(ハノイとホーチミン市)でかなり上がった。
(主にオフィス、レンタルハウスと事業土地)
市場セグメント別、地域別の価格上昇はかなり違った。

2008年に入り、不動産市場はより複雑に動いている。
年初2ヶ月で、ハノイとホーチミン市での
自由市場の価格は、平均10~20%上がった。
しかし、3月頭より不動産価格は下落する傾向、
売り注文が、成立した取引より多く出た。
ホーチミン市で、不動産価格は年初と比べ35~40%下がった。

これまで、ベトナムは不動産市場の発展程度を評価するため、
情報が充分ないにもかかわらず、
そのような価格変動は、ベトナム不動産市場に
持続性及び安全性が足りないということを表した。
このことは、企業の活動へ一定の影響を与え(特に不動産経営企業)、
そして信用機関の全ての信用活動、
及び不動産関係貸付へリスクを、発生させるだろう。

実際にはここ数年で、不動産市場の布教によって
破産した企業は多かった(例えば、エップコミンフン)。
それに伴い、商業銀行の不良債権も増加した。
銀行はこれらの不良債権を補充するため、
10年ほどかかった場合もある。

よって、金融信用活動を管理し、
システムの安全を確保する機関として、
国家中央銀行は、各商業銀行の
全体信用活動及び不動産関係貸付の、安全を確保する規定を発行した。

2006年3月9日付け文書1676号は、
不動産関係貸付を慎重に行い、
土地・投資・建設・銀行信用に関する規定を厳守し、
不動産関係貸付業務に関する規定を発行、
システムリスクの検察を強化、
総貸付と不動産投資貸付の比率を抑制、
不動産市場の変動を厳密にフォローすることを、
各信用機関へ指導した。
2008年初、グェン・タン・ズン首相は、
国家中央銀行へ、銀行システムの安全を守るため、
不動産関係貸付検察対策の実現を継続することを指導した。

②検察範囲以内か

法律の規定を守って、殆どの銀行は、
不動産投資貸付及び不動産担保貸付に対する
厳しい条件を出している。
国家中央銀行の統計によると、
2007年に不動産投資貸付は、総貸付の11.4%を占めたが、
2008年5月31日にこの比率は10.1%、
そして6月末に9.96%へ下がったということである。
2008年初6ヶ月で、総貸付は18%増加したが、
不動産投資貸付の増加率は5%以下のみであった。
また、不動産投資貸付は、主にホーチミン市(60%)、
ハノイ(17%)等の大都市に集中した。

不動産投資貸付のうち、
住宅購入・住宅建設販売用の貸付は9%を占めている。
残りは新都市建設、工業団地建設、加工輸出団地、
インフラ建設、住宅経営・購入・改造用の貸付である。

ここで言いたいことは3つの問題である。

(1)それぞれの銀行の不動産投資貸付比率が大きく違う。

国営銀行(ベトナム外商銀行を含む)の
不動産投資貸付比率は7.8%、
商業株式銀行は約19%である。
特に不動産投資貸付比率が、
30%ほど高い銀行もある(主に小銀行)。

(2)不動産投資貸付の期限構成のうち、
中長期貸付は74%、短期貸付は26%占めている。

通常長期貸付の期限は20~30年であるが、
商業銀行の調達資本の最大期限は、10~15年のみである。
よって、期限・金利のバランス崩れも、
不動産投資貸付活動の1つの潜在的なリスクと言える。

(3)現在の条件には、多くの原因で
不動産市場に複雑な動向があり、なかなか予測できない。

また、不動産市場についての情報は、未だ不足しており、
不動産経営企業の財務状況の明白性も足りないので、
不動産投資貸付は、高いリスクがあると評価されている。

要するに、不動産投資貸付のリスクを抑えるため、
商業銀行は、国家中央銀行の
不動産投資貸付活動に関わる規定を厳守し、
厳密な貸付基準を作成し、
不動産投資貸付が必ず基準を満たすことを
確保しなければならない。
その他、国家中央銀行は
商業銀行の不動産投資貸付活動の検査・監察を強化すべきである。
同時、不動産市場を安定に発展させるため、
各省・各部間の協力も必要である。
(例えば、法律環境改良、不動産市場の情報システム設立、
不動産経営企業の財務能力の明白化等)


(終)


出典:雑誌【証券投資】7月25日


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