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2008年10月31日

変動する株価 業界の傾向


全体的な評価として、株価はIndexの傾向や
企業の第4四半期、2009年前半の営業成長展望により
各社変動している。

ゴム: 業績が良いが、株価下落

Tay Ninhゴム株式会社(TRC)の、
年初9ヶ月の売上は3,786億ドンで、前年同期比+27.6%増加。
利益は1,458億ドンを達し、+26.6%で計画の96%。
EPSは 4,860ドン。
同様に、Dong Phuゴム株式会社 (DPR)の、
売上は約5,270億ドンで、+17%。
利益は1,953億ドンで、+23%、計画の81%達成。
EPSは4,883ドン。

8月はゴム関連の株式があまり変動していない。
9月から市場の変動を受け、10月は暴落した。
10月上旬からの18回の取引のうち、
TRCは14回下落、元の最低株価57,500ドン(6月)を下回り、
現在33,900ドンで取引されている(10月24日)。
同様に、Hoa Binhゴム株式会社のHRC株式も、
元の最低株価38,900ドンを下回って、28,600ドンとなった。
DPR株式も、最低株価に近づきつつある状況だ。
Thong Nhatゴム株式会社のTNC株式は、額面まで下落した。
ゴム関連株式は、国際市場のゴム価格の変動に影響され、
年初9ヶ月の好業績とは逆の動きを見せている。

ゴムの価格は、8月から下がりはじめ、
10月上旬にきて急激に下落している。
10日間のうちに、ゴム1トンあたり1,500万ドンを減少し、
3,000万ドンになった。ベトナムゴム協会によると、
世界の原油価格が、この3ヶ月で50%下がったため、
オイルを原料とする総合ゴムを使用する傾向になっているため、
自然ゴムの需要は減少傾向にある。
さらに、金融危機の影響から世界的に消費が落ち込み、
ゴムを含む基本原料分野の消費が急減している。
ゴム分野の生産計画によると、ベトナム国内のゴム製品単価は
1トン平均2,800万ドン~3,000万ドンで、
現在のこの価格では、利益を生むのが難しい状況だ。

ある証券会社社長は、
「現在、ゴム分野の株式を取引している投資家は、
将来的な利益を見越して株式を売買している。
現在のゴム分野の利益に関する情報に基づいているわけではない。」と考えた。

輸出:分化

Nam Viet株式会社のANV株式は、
10月の18回の取引のうち、17回連続で下落した。
10月24日、ANV株価は22,500ドンで取引され、
9月末から比べ、-40%となった。
ANVは売上 2兆5,140億ドンで、利益は2,500億ドン。
計画の60%を完了している。
Ban Viet証券株式会社の分析部によると、
ANVは注意すべき銘柄で、企業規模と発展潜在力は大きい、としている。
ベトナム輸出製品加工協会の資料によると、
ANVは、年初9ヶ月で全国最大の輸出量を誇った企業である。
輸出量 77,000トン、輸出額 1億5,340万ドル。
ただ、SSI分析部によると、
同社は、原料単価が、輸出単価を上回るため、
利回り率はNO.1ではなくなっている。
ANV幹部は、今後、国内の厳しい金融政策や
国際市場の不況など、多くの問題を解決していかなければならない、と語った。

ANVと逆に、Cuu Long An Giang輸出入株式会社の
ACL株式は36,000ドンで取引され、
6月の22,700ドンから、かなり上昇している。
年初9ヶ月の営業成績も良好で、
販売・サービス部門の純売上が5,189億ドンで、
前年同期の+36.8%。
税引後利益は582億ドン、+38.5%増加した。
EPS 6,467ドン。

輸出企業の発展について、SSI分析部によると、
木材等の消費需要が2009年から減少するため、
注文量が減ると見られている。
2008年に輸出木材分野に対する困難問題が発生した。
ある木材関連上場会社の社長は、
利益の急減について、契約した木材の単価が低い一方で、
経費や原料価格が高騰していること、
原料を殆ど輸入に頼っていることなどを挙げた。
現在、Savimex経済協力・輸出株式会社のTTF株式が
下落を続けている。業績が計画通りに推移していないためだ。
2008年9ヶ月でSAVは、
売上 2,695億ドン、前年同期比+10.88%。
利益 48億ドン、-41.55%。
TTF代表者の話では、
2008年の利益は600億ドンに達すると予想されるが、
計画は800億ドンである。

Pham Do Chi博士―Vina CapitalのManaging Directorによると、
世界のGDP成長率が低いため、
短期間で輸出目標を10%~15%減らす必要がある。
ただ、輸出企業にとってはチャンスである。
市場の開発を促進、多様化させ、
中東諸国等の潜在力のある地域で、
新規顧客を開拓できる可能性があるのだ。

消費商品分野も下落

2008年8月末、Kinh Do株式会社のKDC株価が
84,000ドンになったが、10月24日さらに50%減らし、
36,800ドンにまで落ち込んだ。
同様に、Tuong An植物油株式会社のTAC株価も急落し、
8月末の81,000ドンから28,900ドンに下がっている。
ベトナムミルク株式会社のVNM株式は
6月は90,000ドンを維持できていたが、
今は73,500ドンに下がっている。
消費商品分野もVN-Indexの暴落で、
安全な投資先とはいえなくなっている。
Le Van Phong-An Phuc投資ファンド社長によると、
ベトナム証券市場では各銘柄とも同じ傾向で変動しているという。


証券投資紙 2008年10月30日


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