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2008年11月13日

「ベトナムでデフレは起こらない。」?


「国家銀行能力向上のための技術協力計画」の
最高顧問である鉢村 健氏は、
ベトナムのデフレについて以下のように答えた。

Q:10月の物価上昇率 (CPI)は、9月に比べ低かったが、
このことについて、危機感を覚えるか。

A:2008年1月から9月まで、
ベトナムのインフレが非常に高かった。
10月のCPIは9月に比べて減少しているが、
これについては専門家にも様々な意見がある。

中には、これはデフレ現象を現しているという者もいるが、
私はこの意見には賛成しない。
デフレは供給が需要を上回る時に起こる。
これが物価を下落させ、
生産能力や雇用が減退することにも繋がっていく。

現在、世界の金融市場が混乱し、
多くの政府と中央銀行が、困難な状況に陥っている。
アメリカ、ヨーロッパでは、
大きなデフレの恐れもあるが、
私はアジア、特にベトナムでは
デフレは起こらない、と考えている。
ただ、懸念すべきことは、経済成長が鈍くなることである。

Q:CPIマイナス成長は、経済状況が悪化する警鐘ではないか。

A:10月のCPIが9月より低いのは、むしろ良いことである。
これは、経済状況が安定していることを表している。
現在のような慎重な動きは、ベトナムのインフレ抑制
にも繋がっていく。
個人的な見解ではあるが、私はCPIはこれから
徐々に減少する、と予想している。
それは、金利が高いこと、
各国で原油や、その他商品の価格が下がっているからである。

アメリカやヨーロッパの金融危機は、
世界経済に大きく影響してくる。
ベトナムも必ずこの影響を受けることになる。
現在、輸出先がアメリカの商品が、
ベトナム輸出総額の20%を占めている。

従って、アメリカの経済状況が悪くなれば、
当然この市場へ輸出できるベトナム製品数も減少することになる。
しかし、国内の個人消費及は余り減らないと予想されるため、
ベトナムの経済成長がそこまで悪化することはないだろう。

ただし短期的には、ベトナムに投入されるFDI資金が、
減る可能性はある。
ただ、中長期的に見ればベトナムの成長市場なので、
受ける影響は、一時的なものだと思われる。

それに、ベトナム人居留民の送金は毎年大きく増加しており、
引き続きベトナム経済の発展促進に大きな役割を担う。
その他、外国政府、企業による直接投資資金を
調達することも重要である。

Q:ベトナムはインフレ抑制目標を優先したが、
CPI20%以上という現状で、金融政策緩和は早すぎるではないか。

A:現在の金融政策の緩和は早過ぎるものではない。
逆に、今は国家銀行(SBV)が金利を下げるには適切な時である。
金利額も適当である。
国際的な消費の落ち込みや、アメリカ経済に対する
強い不安がある中で、国家銀行はベトナム国内と海外に
強いメッセージを送っている。

この夏、世界では、ベトナムの金融危機を懸念する声があった。
しかし、今となってはその噂も完全に消えている。

ベトナム経済は若く活発な人材も多く、潜在力が非常に高い。
この10年、ベトナム経済は連続して
年7%の成長をしてきた。
このままでいけば、ベトナムの成長スピードは
日本の第2次世界大戦後に匹敵する可能性もある。


Vneconomy.net 2008年11月12日


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