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2009年02月04日

2008年 注目のM&A案件


1月19日に発表された
PricewaterhouseCoopers (PwC)の最新報告によると、
2008年のベトナムでのM&Aは146 案件で、
2007年から26%増加した。


ただし、取引総額は10.09億ドルで、
2007年の17.19億ドルより低い。

Stephen Gaskill-
PwCホーチミン支店サービスコンサルティング社長によると、
2008年は大規模の案件の成長率が低く、
国営企業の民営化が消極的であったことと、
2007年の大規模案件が全て民営化されたばかりであったことが
関連しているのだという。

最も活発なM&A分野は金融分野

Stephen Gaskillは、
「M&Aの価値では、ベトナムの減少率は
世界やアジア地域よりも高い。
しかし、件数の増加率は
他の地域より非常に高くなっている。
大半の取引は個別で行われるため、
取引価値や例外の発表が明確に行われない。
上場企業の重要性は日ごと増し、
発表の基準も段々充実され、
より高い取引価値の構築が
ベトナムM&Aの未来を改善するだろう。」と語った。

PwCの報告で、最も活発とされたのは工業分野である。
工業分野における2008年のM&Aは、
運搬・インフラ整備、自動車・
自動車部品の生産に関する取引契約が
2007年より多いため、一番活発的に行われたことになっている。
次点が金融分野である。

テレコム分野の中では
広告、宣伝、マーケッティング、インターネット分野が
2008年に12%成長した。

2008年後半に注意すべき取引は、
7月の Jardine & Carriage (JC&C)有限会社が
Truong Hai自動車グループ(THACO)の12%を
4,100万ドルで買収した案件で、
8月にJC&Cは追加でTHACOの8%を
3,600万ドルで購入している。

フランスのSociété Générale会社は、
1989年、ハノイ市とホーチミン市で駐在事務所を開設、
ベトナムにおける投資と輸出活動に対する
上位の財政協力機関として 活躍している。
同社は8月、Dong Nam A民間商業銀行株式会社(SeABank)の
株式の15%を購入している。

HSBCはTechcombankの所有率を
14.4%から20%に上げることにより、
ベトナム銀行の20%を所有する初の外国銀行となった。

8月に発表された重要な取引の中では、
ベトナム石油ドリル・サービス株式会社(PVD)は
ベトナム石油ドリル投資株式会社買収のため、
株式の49%を購入している。

また、日本のダイキン工業㈱が、
Viet Kim会社(ホーチミン市の電化製品小売販売会社)を
買収し約910万ドルの取引があった。

Holcim ベトナム会社は、COTEC Viet Namグループの
Cotecセメントを5,000万ドルで買収した。

売買取引の総額(単位:100万ドル)

件数価値
200341118
20042334
20052261
200638299
20071081719
20081461009


10月にBunge Limitedのアジア支店は
Phu My港の50%を買収した。

シンガポールで設立されたUnited Overseas (UOB)は
Phuong Nam商業銀行株式会社(Southern Bank)の所有率を
10%から15%に上げるため、1,560万ドルを払った。

Ocean Bankはベトナム国営石油グループに対して
20%を4,000億ドンで売却した。

Nippon鉄グループは10月に
Poscoベトナム有限会社の10%~20%の購入合意書を締結した。
Poscoベトナム有限会社は韓国のPoscoに属している。

12月、Vào tháng 12, TBWA Wordwideは
Biz Solutionsの株式を大量購入した。
この会社はベトナムで上位の
マーケッティング・テレコム会社である。

2008年12月中旬に、
国際コンサルティング会社であるWatson Wyatt Worldwideは
Smartベトナム人材派遣有限会社(Smart HR)を買収した。

2008年12月、Petro Vietnamは
ロシアの石油開拓・精製会社であるRusvietpetroの
所有率を49%から98%に上げるため
Zarubezhneftの株式を追加49%購入した。

その他、12月末、
ベトナム軍隊テレコムグループ(Viettel)による
軍隊商業銀行の15%の購入案件が
首相から基本的に承認された。

また、Deutsche Bankは
早期にHabubankの所有率を10%から15%に上げ、
QuantasはJestar Pacificの所有率を
18%から49%(現在の最高所有率が30%)に上げる可能性がある。

発表されたM&A案件

20082007%20082007%
(100万ドル)(100万ドル) 増・減(取引量)(取引量)増・減
全世界29359604116996029.63959743817  9.6
アメリカ986283157084837.291651129618.9
中国1042537539038.32983258715.3
東南アジア7517675675  0.720652001  3.2
ベトナム1009171941.314610835.2

2009年のベトナムのM&A発展展望

Stephen Gaskillによると、
2009年のベトナムのM&A活動は、
国際金融危機の影響を受け非常に困難である、としている。
しかし、PwCはベトナムが外国投資家から
より高い関心を示されている国であり、
長期的な経済潜在力を有する国と信じている。

それによって、各ファンド管理会社や商業会社は
2009年中に重要なM&A案件を続き、
完了させる見込みである。

ただ、多くの投資家は2008年中旬のころから
慎重に検討する方向になってきている。
価格と取引の条項に関する交渉が
さらに困難となり、時間がかかることが予想される。

Gaskill氏は「2008年末に売買案件の
実施期間が延期されたため、
その未完了分が、2009年上半期の間に完了する可能性はある。」
と語った。

最新の規定の変更によると、
多くの分野ではM&A活動を通じて、
外国所有率が100%になると予想される。
Gaskill氏は、小売分野がM&Aの中で
一番活発に行われると予測している。

ベトナムにおけるM&A活動成績は、
2008年同様、目標達成となる可能性が残されているようだ。



Vneconomy.net 2009年2月4日

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