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2009年03月03日

お金が沢山ある時も困る


主要分野中心に投資せず、
金融投資に力を入れたことにより、
多くの企業は大きな損失を出した。


2001年-2002年、
VN-Indexは130ポイント以下に下がり、
Gemadept (GMD)社の株式が30,000ドン上下で取引された。
その時点でGMDが高い株価を維持できた理由は、
高い利益率が維持され、優秀な人材が多く(95%が大学卒)、
経営状況が良い事であった。

今、GMDは上記の伝統的な強みの他、
港の投資案件、Logistic案件、
オフィスビル(Le Thanh Ton通り第1地区HoChi Minh市)
も所有しているが、
GMDの株価は上場時からの最低額20,000ドンになった。.

2008年、GMDは赤字になる可能性があり
(2008年第3四半期に1170億ドン赤字)、
監査対象になる可能性もある。
この全ての原因は財政投資である。
高い利回り率を欲しがった。
GMDは財政投資活動による大きな損失を受けた
唯一の上場企業ではない。
REE、SAM、HAP、KDC、ALP等の
大企業も同様な状態になっている。

株主による利回りの圧力を受けない場合は
これらの企業が財政投資に力を入れる事はなく、
そして2006年ー2007年間の
追加発行による膨大な資金の調達がなければ、
財政投資活動はしなかった。
2008年年頭にGMDは資本金が4570億ドンであったが、
余り資金が1.367兆ドン。
多くの会社は余り資金が資本金の2倍~3倍である。
HAPの余り資金は2645億ドン、
KDCの余り資金は1.725兆ドンである。
多くの会社は余り資金の一部しか
主な営業分野に投資しない。

主な原因は、企業の規模は拡大するが、
運営能力及び人材育成が追い付かないことを懸念する点。
この懸念は不合理ではない。
生産規模の拡大スピードは速すぎ、
経営能力が追い付かない場合は
会社が倒れる可能性もある。

ただ、余り資金を合理的で慎重に使うより、
多くの企業は「お金が沢山ある時も困る」状況になった。
さらに、多くの株主は企業の役員に対して、
「出来るだけお金がお金を生む」対策を実施することを求める。
株価及び不動産の価格が急速に上昇することは
会社の役員にとって「大きなチャンス」と見られる。
従って、余り資金は早いスピードで証券、不動産に導入された。
リスク準備資金の引き当たりが不足。
Kinh Do株式会社(KDC)は去年、2008年第4四半期に
1423億ドンの税引き後の利益を達したが、
2007年の2240億ドンよりかなり減少した。
しかし、この利益については不思議な部分が多い。
2008年12月31日の年度の会計報告書の中には
KDCの単位財政投資資金は6194億ドンと掲載されたが、
リスク準備資金が394億ドンしかない。

さらに、長期財政投資資金は9028億ドン
(そのうち、子会社、合弁会社への投資資金が415億ドン)
と掲載されるが、リスク準備資金が190億ドンしかない。
未上場株の下落により
(KDCは大量の銀行の株式を保全している)、
この準備資金が足りないはず。
株価は50%~70%下落したが、
KDCの投資品目の価値は約5%しか減らさないので、
この会社の財政投資活動は一番成功したはず!!!

しかし、KDCの会計報告書は会計基準の説明を主に掲載し、
各数字に関する説明がない。

KDCと違い、財政投資活動をした他の会社は、
証券下落準備資金の引き当てのための赤字を公開した。
GMDの2008年第3四半期会計報告書では、
2555億ドンの短期財政投資に対して
1262億ドンの準備資金、
6810億ドンの長期財政投資に対して
1262億ドンの準備資金を引き当てた。
同様に、Hapaco株式会社(HAP)は、
1066億ドンの短期財政投資に対して
700億ドンの準備資金、
520億ドンの長期財政投資に対して
254億ドンの準備資金を引き当てた。
これらの準備資金の引き当たりにより、
2008年にHAPは687億ドンの赤字になった。

一列の会社が年度会計報告書を発表した後、
投資家は会計監査済みの会計報告書を待っている。
規定によると、会計監査済みの会計報告書は
会計年度の終了の時点から
120日以内に発表しなくてはならない。
会計検査済みの数字と未検査の数字の格差が出てくるはず。
一部の投資品目は長期財政投資品目に入れられた。
理由は市場における取引価格を確定できないため、
準備資金を引かないことである。

例えば、Alphanam (ALP) は長期財政投資が
3738億ドンであるが、準備資金を引かなかった。
投資家が企業の状況を正しく評価するために、
UPCOM(未上場株の取引市場)を開設する必要である。
その時に、未上場株の価値が正確に確定でき、
各企業は未上場証券への投資に対する
リスク準備資金を引かなくてはならない。



サイゴンエコノミックスタイムズ  2009年3月2日

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