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2009年03月12日

オフィス賃貸 供給過多


不動産市場は、最悪の状況から徐々に回復してきていると予測されているが、
オフィスリース市場は、様々な原因により
依然困難な状況が続いている。


供給過多

CB Richard Ellis ベトナム不動産コンサルティング会社(CBRE)の
最新資料によると、
この数ヶ月、ハノイ市におけるB~Cランクの
オフィスの空室率は10%を超えたという。
ハノイ中心部にあるBランクオフィス
(家賃が1ヶ月1平米当たり35USD~50USD)も、
数万平米が空いている状態。
家賃は2007年同期に比べ15%~20%減少しているのにも関わらずだ。

その他、200平米の2階建て~3階建て、駐車場付き、
Tran Hung Dao通り、Ly Thuong Kiet通り、
Hai Ba Trung通りに面するビルでも空室が目立ってきている。
CBREの調査によると、多くの会社が、
1平米20USD程度の家賃しか払えない状況にあるという。

現在、ハノイ市内のオフィスは供給過多の状況になっており、
供給量は合わせて約40万平米以上にもなる。
そのうち、Aランクが10万平米、Bランクが35万平米を占めている。

ホーチミン市では、各種オフィスで空スペースは約90万平米となり、
2007年末に比べ21%増加となっている。
稼働中のビルでは空スペースがかなり広まっている。
Aランクオフィスが10%~30%、BやCランクが
40%~70%空と、やはり深刻な状況だ。
工事が完工したばかりのビルでも予約辞退が相次いでいる。
顧客0で稼動できないところもあるほどだ。
Bランクオフィスの家賃は、
1平米あたり25USD~35USDで変動しており、
Cランクオフィスでは1平米あたり14USD~22USDまで下げ、
現状に対応しようとしている。

コンサルティングの専門家は、
今年末には、ホーチミン市で
新たに120万平米の各種オフィスが完成予定であり、
約66%増加することが見込まれている、としている。
家賃は今後、Aランクが1平米あたり30USD、
Bが1平米20USD、Cに至っては1平米10USDまで
下落する可能性が高いという。

深刻な需要減少

専門家によると、この原因は、
大企業が自社の新設ビルに移る一方で、他の企業が財政状況に陥り、
借用スペースを減らさなくてはならない状況になっている。

現在、企業の多くが1平米あたり20USDの支払いが限度となっている。
家賃自体約15%~20%下がったとはいえ、
Bランクのオフィスであれば、
家賃は1平米当たり約40USDするのが現状だ。

財政がおぼつかない中小企業は、
中心部を離れ、より低ランクのオフィスを選択するようになってきている。

現在ハノイ市では、Aランクのオフィスで
家賃1平米当たり平均55USD~70USDを維持している。
決して安い金額ではないが、Aランクは満室だという。
これは基本的にAランクの供給量が
B、Cに比べ、かなり制限されているためである。
この2年、Pacific Palaceに次ぐ
新しいAランクオフィスは出てきていない。
また、Aランクを借りる企業は、殆ど大企業である。

これらVIPは、借りるスペースを100平米以下に抑え、
長期契約を結ぶため、あまり市場に影響を与えない。
それに、大企業は財政力もあるため、多少高い家賃でも払えるのだ。

多くの専門家は、不動産市場が回復しない限り、
この無駄は改善できない、としている。

3年後 供給量は年122%増となる

CB Richard Ellis ベトナム不動産コンサルティング会社(CBRE)の
研究結果によると、
今後3年後、オフィスリースの供給量は、年122%増となる。
供給量の急増は、企業にとって、経費削減のチャンスとなる。

昨年第3四半期末から第4四半期までで、
各ランクの家賃がかなり減少した。
Aランクオフィスで1平米60USD以上、
Bランクでは1平米40USDから25USDに減少している。

こうした家賃下落により、
Cランクオフィスが激戦区となっている。
現在、各地方のオフィス家賃はかなり減少している一方で、
ハノイ市だけは安定した家賃を維持している。

不動産市場やオフィスリース市場は、
経済変動の影響を受けている。
このため、企業が進める経費削減の影響はしばらく続きそうである。



Vneconomy.net 2009年3月11日

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