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2009年06月04日

SCICの活動による裏・表の影響


国営資金投資運営公社(SCIC)の誕生は、
主管省の体制の排除、
国営企業における国家投資資金の管理体制を
行政管理から投資・運営体制に変更し、
国家資金を有効に利用する目的に対して
積極的に貢献することを期待された。
実際はどのようになっているか。


四つの大きな目標

SCICは2005年に首相の決定No.151とNO.152 で設立され、
2006年8月から正式に活動を開始した。
SCICは4つの目標を掲げている。
それらは、
(1)政府の戦略投資家になること
(2) 企業の活発的な株主になること
(3) プロの財政コンサルタントになること
(4) 国営企業が国際基準に合わせて経営されること
である。
活動開始の3年後にSCICは民営化後の国営企業における
国家投資資金を確保、有効に活用し、良い成績を残した。
国営企業における唯一の国家資金の所有代理として、
SCICは市場の規則に基づいて財政投資を実施し、資金を運営した。
2008年6月30日までSCICは876社を受け取り、
右の会社における国有資金が8.035兆ドンであった。
全体を計算すると、
これらの企業の40%は利益が低く、10%が赤字である。
SCICの子会社、連携会社は財政、エネルギー、
工業、通信、建設、運搬、消費商品、医療、IT等の
様々な分野で活動している。
SCICはPacific Airlines, Bảo Minh, Vinamilk等の
大国営企業を民営化した。

起こる可能性がある結果

しかし、SCICの活動の中では様々な問題が発生し、
早急に解決しなければSCICの最初の4つの目標に
悪影響を与える。
[1] 国営企業の民営化(再構造)計画の実施が遅く、
ベトナム経済の重要な分野にのみ集中している。
従って、国営企業全体の状況がまだ改善されておらず、
社会投資活動が促進されていない。
つい最近の国家常務委員会の提案により、
営業成績の良い大国営企業100社における国有資金しか確保せず、
現在SCICが所有している民営化754社における
国有資金の換金を促進する。
今まではSCICはまだ具体的な再構造計画を作成しておらず、
必要な情報提供活動も行っていない。
[2] 民営化後の国有資金及び国家予算の管理体制が
未だ充実していない。これは四つの弱みで表している。
1.企業における国有資金の所有代理が分散している状況である
2.国営企業における国有資金代理者が能力不足である事が多い
3.国営企業における国有資金代理者の権限、
責任が明確に規定されていない
4.「民営化後」の企業における国有資金の換金体制が
明確になっていない
[3] SCICが有効に活動するための法律整備が不充分である。
特に、証券市場を含む金融市場への
SCICの参加範囲に関する規定がない。
従って、SCICは投資、取引、財政コンサルティング、
企業への現代経営技術の導入等の役割をまだ活発化していない。
そのため、この間SCICが証券市場の暴落状況を
改善する役割を果たさなかった。
特に、数百兆ドンの需要引上げパッケージの実施はSCICを通さなかった。
今後SCICはもっと積極的に活動する必要がある。
[4] 国営企業が主な分野ではない分野へ
大量に投資する状況が大きなリスクを抱いている。
借金が主資本の数倍に高くなったので、財政安全に影響を与える。
2008年には70社の国営会社のうち30社は
借金が資本金の3倍以上を超え、ある企業は20倍以上。
主な分野ではない分野への投資活動は
独占権を利用するためであり、
国営企業の短期の利益を作る為の行動である。
この動きが厳しく監査されない場合は、
ベトナム経済社会にとって大きな「爆弾」になる。
この状況を解決するためのSCICの役割は大きく、
まずSCICが自己の投資、コンサルティング活動を
正しく調整しなくてはならないだろう。



Vneconomy.net  2009年6月3日

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