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2009年06月16日

M&A活発化の裏側


Vietinbank, Vietcombank, MobiFone,
Sabeco, Vinaconex等の大手国営企業を始め、
ベトナム企業は会社経営や財務能力を改善するために
国外での提携先を探している。
ベトナム経済及び世界経済活動に関する積極的な動きにより、
M&Aが活発化しているが、
ベトナムでM&Aを開発するためには、
まだ様々な問題を解決する必要がある。


2008年に、ベトナム再保険会社(VinaRe)の株式25%を
提携先へ譲渡したことは大成功をおさめた。
VinaReは2段階に分け、4070万株を追加発行して増資。
第1段階には、2795万株がベトナム投資家に発行されたが、
1183万株が売れ残った。
第2段階では、国際市場に1275万株を外国投資家に発行。
VinaReの外国戦略投資家の選択に関する4つの基準は
①技術の移転、経験の移転、②財政支援、ITシステムの開発、
③人材養成・開発、④投資開発の開発支援であった。

株式の売却入札は、外国機関投資家3者に対して行われ、
最終的には、SwissReが落札。7900万ドルでVinaReの戦略投資家になり、
VinaReと戦略協力合意書を締結した。
現時点でのSwissRe購入株価はOTC市場より20%高い。
成功までに、VinaReは3カ月間で20社もの外国機関投資家と
交渉を行った。これらの投資家は主に外国再保険会社で、
最終入札に参加できる企業は優良3社であった。

 •Sovico:Furamaホテルを買収 (2005年11月、1600万ドル).
 •Kinh Do株式会社:Tribecoを買収 (上場市場で行う)
 •Holcim:Cotecセメントを買収 (2008年8月、5000万ドル).
 •Qantas:Jetstar Pacificの18%を購入し、31%を追加購入予定
 •Tiberon (Dragon Capital):カナダの企業からTiberon株式を
  2億3000万ドルで買収).

2009年3月、Grant Thorntonは、
ベトナムの169の民間及び外国関係企業に対し、
ベトナムの投資環境及び開発展望に関する調査を行った。
この結果、小売、健康補助サービス、生物工学、石油分野が
高い評価となった。

VinaReの取引は順調に行われたが、Kham Doan
-Horizon Group代理者(VinaReのコンサルティング会社)によると、
このM&Aの様な案件には、リスクと挑戦が伴う。
案件は国家証券委員会の規定により、3カ月以内で完了しなくてはならず、
取引前に数社がIPOに失敗した。
また、国際会計に合うデータが不足し、予算の作成用の詳細情報も不足。
国際規定とベトナムの規定のくい違いも多い。

Dragon Capital ベトナムの統計によると、
世界のM&A案件の半分は失敗に終わっている。
原因は文化や価値観の相違、経営観点の矛盾等である。
ベトナムにおけるM&A活動に対する大きな問題点は、
M&Aに関する法律がまだ充分に整備されていないことと、
所有権に関する規定がまだ明確になっていないことである。
WTO加盟の公約に基づき、ベトナム企業における外国投資家の
所有率が増加したことで、許可の発給手続き及び許可変更手続きも
複雑になった。多くのベトナム人は商売やM&Aについて
全く知識がなく、財政情報もまだ不透明で情報の質が低い。

最近は、ベトナム企業に対する外国投資家の関心が高まり、
特に、香港、シンガポールの企業が関心を寄せている。
ただ、現在、外国投資家が最も注目している問題は、
外国側の所有率である。
例えば、銀行分野では外国所有率が最高30%と規定されている。
そのうち、戦略株主に対する所有率は最大20%、
銀行分野以外の外国投資家に対する所有率も、最大5%である。
所有率が低いため、外国投資ファンドがベトナム銀行への投資を
検討した後に辞めることもある。
そのほか、ベトナムの規定が統一されていないため、
投資家が混乱している。
例えば、企業法の第89条はベトナム株式を購入する際に
VND、外貨、金で清算すると規定していたが、
議定No.109/2007/CPはVNDで清算する必要がある規定している。

国際金融危機の影響で、一部の外国投資家は、
2009年第1四半期にベトナム市場から撤退したが、
現在、ベトナムに戻ることを検討している外国投資家が少なくはない。
ただ、大きな損失を受けているので、慎重に検討するべきであろう。
外国投資資金はベトナム企業の活動に支援するため、
株式・証券の売買に関する法律的な環境を整備する必要がある。



証券投資紙 2009年6月15日

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