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2009年07月04日

FDI調達:発表の数字と実際の数字


発展途上国における外国投資資金(FDI)の調達活動は、
ダンスで酔いぐせのある人の行動と同じである。
極度に興奮するので自分の行動をコントロールできず、
幻覚状態になりやすい。


経済発展に対するFDIの貢献は大きい

2000年からの長い期間でFDIが世界中で急速に増加し、
主に発展途上国に導入された。
Dan Deluca氏(アメリカのColumbia大学教授)によると、
2001年に62%のFDIが中国、メキシコ、ブラジル、香港、
ポーランド等の発展途上国に導入された。
この資金源増加の要因は様々である。
80世紀末から世界化の動きが始まった。
他の見方では生産過程を国際化する時期であり、
膨大な他国企業 (MNCs)が「全世界の供給ネットワーク」と呼ばれる。
実際、MNCsは投資先の国の人材が安く、資源環境が裕福、
生産経費が低い、政府の優遇な政策などの利点を利用することができる。
投資先国に導入された技術は投資家の元の技術レベルからは低く、
運搬経費、通信経費が減らされるので、
MNCsが単価を下げ、売上が増加する。
地方の強みを利用できる適切な生産チェーンの一部を整備するので、
各地方でそれぞれの別々の生産工程が整備される。
Deluca (2008年)によると、
発展途上国へのFDIが急速増加することに貢献した他の要素は、
現地国の政府の政策である。
各政府がFDI促進政策、投資法を改善するので、
以前投資許可を得られなかった案件が簡単に投資されるようになった。
FDI受け取り国の政府は外国企業に対し「特別」な優先政策を適用する。
特に人材を幅広く雇用する予定の外国企業である。
通常は5年~10年間免税し、インフラ整備を行い、
様々な支援制度を適用する。
これらの優先策は案件ごとに変更されるので、測量できない。
ある角度ではベトナムも例外ではない。
外国投資を調達する20年間にはベトナム政府が
FDIを誘致するために多くの優遇策を発行した。
これらの政府の努力はFDIの導入状況を改善し、
国の経済成長を促進し、各市省の姿が変わった。
また、外国投資関係セクターはベトナム経済発展に対して
重要な役割を持ち、GDP成長の3.5%を占め、
社会全体の投資資金の20~30%を貢献する。
FDIも新しい雇用の4.1%を作りだす。
ただし、上記の説明のように、政府の優遇策が未公開なので、
FDI誘致の裏側の実際の利益と損失が分かる人は少ない。
それは各地方の不動産分野、観光分野への
外国投資調達の構造を見ると良く分かる。

FDI誘致の裏側

Dang The Truyen-首相の研究委員会委員は、
FDIの調達額の競争について警戒している。
各地方はお互いに未健全な競争をしているので、
国の極めて高価な資源、自然、観光資源が安く売られてしまう。
結果、FDIから得た利益と永遠に失った資源の価値とは
比べものにならない。
家、畑を犠牲して5つ星の高級リゾート又はゴルフ場に
場所を譲った海岸沿いの人民が適切な賠償を得たか、
環境に与えるFDI案件の影響が積極的であるか。
FDIを調達するため、各地方が土地、労働に関する
規定の穴を利用して特別な課税制度を適用しているので、
国に損失を付ける。
ベトナムの観光分野へ投資する外国投資家が様々な優遇制度を得られ、
自然環境の良いベトナム海岸を利用できる。
ただ、Da Nang市等の美しい海岸沿いの土地が
今後外国投資関係のリゾート、ゴルフ場になることについて
心配しなくてはならない。
Truyen氏によると、
各小規模の投資案件に土地を用意するために
海岸を細かく分けないほうが良いと共に、
大案件に特権を付けないほうがよい。
Da Nang市からHoi An市までの長い海岸は
数件の大規模案件に優先して土地を譲るべき。
現在、数件の「超案件」が土地を確保しているので、
ベトナムの「金の河岸」がアジア地域と世界の
「リゾートの天国」になる時に安い価格で広い土地を
確保できる会社が統治者になる。
実際の状況が上記の懸念を確認し、
FDIが引き続き不動産と観光分野に導入されている。
また、今のように大きな資金が不動産に導入されると、
今後不動産の開発企画が崩れる可能性があり、様々な影響を与える。
Le Dang Doanh経済専門家の分析によると、
発表されたFDIの資金は外国企業がベトナムに導入した
実際の資金を現すものである。
典型的な例はハノイ市における高級住宅団地の建設案件の
最初の投資申請資金が10億ドルであったが、
実際外国投資家は2億ドルしか投資せず、
残りの資金はベトナム銀行からの借金又は
人民の購入デポジット用の資金である。
投資家は購入者からベトナムドンを受け取るが、
元の投資資金と利益をUSDで母国へ送金するので、
国際清算バランスシートに大きく影響を与える。
また、ベトナムが発表したFDI調達資金と
国際金融基金(IMF)の計算とで格差がある。
ベトナムはFDIの実施額(disbursement capital)を発表した。
例えば、ベトナムが80億ドルと発表したが、
実際各合弁会社へのベトナム側の出資額を差し引かなければならない。
ベトナム側は通常、土地、工場、資金で合弁会社に
25%~30%を投資する。
この30%の出資率がFDIに加算できない。
IMFの計算はFDIが実際にベトナムに導入された外国資金
(Real Equity)である。
Doanh専門家は、計画投資省に計算方式を改善することを建議し、
FDIの投資資金を正確に計算することを期待する。

平等的なFDIの発表について

ベトナムにおける20年間の外国直接投資の報告書の中では
2007年末まで1,359案件が期限前に解体され、
解体された資金が155億ドルであると掲載された。
解体された案件の中では合弁の方式で実施された案件が
大部分(件数の56%、投資申請額の67.2%)を占める。
元のデータを確認すると、解体案件に関する正確な情報を
発表することは非常に大切なことである。
その他、外国投資局は主導的かつ定期的に新期の増資案件、
投資案件に関する情報を発表する。

Doanh専門家は、
「実際、投資案件の投資申請額がかなり増加しているが、
投資先の地方の利益に合わせて申請された。
ある投資家は実際30億ドルまで投資申請するともりがなかった、
最初の段階には3億ドルで充分であるが、
申請書類を作成する時に地方の役所が
全体の投資資金を申請すれば土地を渡すことを交渉した。
投資家はまだ30億ドルまで投資するつもりがなかったので、
不安であり、実際の投資計画がまだないが、
地方の役所がアドバイスをしてくれたので、
取り敢えずそのアドバイスに従う」
と話した。



サイゴンエコノミックスタイムズ 2009年7月3日

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