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2009年09月03日

分野別投資:短期的利益か長期的投資戦略か?


投資分野の選択は
現在の証券市場における
投資資金の動向である。
短期的な利益を目指す投資家は
慎重に投資するべきであり、
また、長期的で合理的な投資戦略を
策定すべきであろう。


ベトナム証券市場は
年初より積極的な変動があった。
VN-Indexはこの3年間の最低となった
242.53ポイントに下落した
2月26日より今日まで
市場規模と流動性は
徐々に回復している。

5月初頭、市場には
安定的発展の潜在力が現れた。
また、8月の取引総額は
1回当たり平均3兆ドンに達した。
これらの投資資金は
成長性が高い建設資材や財政、
不動産分野へ導入される。

投資利回り率についても、
多くの分野の株価が高く上昇した。
例えば、電気機材・金属生産分野への
投資利回り率は150%、
証券分野170%、
プラスチック、ゴム生産分野は200%に達した。

また、投資分野は大きく分化している。
証券、運搬、鉱山開拓分野の株式は
大量購入され、株価は上昇している。
(PERは証券分野50倍、運搬70倍、
鉱山開拓45倍となる)

一つの答えが全体の状況を表すのではない
ベトナム経済は、
マクロ的な経済指数が回復状況を示したことで、
衰退を乗り越えたと評価された。
今年前半のGDP成長率は3.9%に達し、
その中でも農林水産分野が1.25%、
工業・建設分野が3.48%、
サービス分野が5.5%増加した。

経済回復の際には
大量な資金力を有する分野や
利回り率が高い分野、
固定経費が多い分野といった
証券、財政、不動産分野に対して
投資家は特に注目する。
また、これらの分野は
経済成長を最も如実に反映する。
さらに、これらの分野は
財政や証券といった特別な資産へ投資し、
固定経費も大きいので、
売上が急激に増加する可能性も高い。

このほか、ゴム、原油等といった
基本的原料を生産・加工する分野も
安定的な販売価格と市場により
投資家に注目される。

ただ、各分野の状況を
正しく評価するためには
複数の要素を検討しなくてはいけない。

①その分野の発展戦略が
どのように策定されたか
例えば、輸出・輸入用商品を中心とするのか、
素材商品・加工済みの商品を供給するかなど。

②その分野の製品に対する需要や
分野内での競争は激しいか。
また、外部からのプレッシャーはどうか。

③周辺分野・産業が幅広く開拓されているか、
集中的に発展しているか、
市場の状況と発展性の関連など。

④その分野の重要な要素:
一般の人材による活動が主体か、
技能の高い人材が必要か、
使用する固定資産は有形か無形かなど。

⑤その分野に対する政府の保護など

上記の要素は、
分野の利回り率や成長等の活動成績に
明確に表れる。
例えば、ゴム、プラスチックの生産分野や
不動産分野の成長は
投資家に大きく期待される。
また、実際にこれら二つの分野は
活動能力および利回り率は高く、
発展戦略の透明性が高いことも
投資家に期待される要素であり、
一方、ほかの分野は
シーズン性な要素から
短期的な利益が出ると期待される。

発展潜在力を見極める
最近、証券市場への導入される資金は
大きく分類される。
証券、プラスチック、運搬、
ゴム製造・加工分野へは
大量に投資されたので、
株価上昇の圧力も高まっている。

また、市場暴落期に
証券、運搬分野へ投資することは
素晴らしい戦略である一方、
これらの分野は
固定経費が大きいことが
リスクとなりうる。
この類の企業は、市場暴落時も
多額の人材費、ソフト利用経費、
固定資産など諸経費を
負わなければならないのである。

また、企業は
プロの営業戦略を持たないと、
成長が不安定となり、
倒産などの危機に遭遇する可能性も
高くなるだろう。
ただ、これらの分野は
経済成長の回復期に
急速に成長することも多い。

これら、上記に掲載した
検討すべき要素や
マーケットシェアの成長性、
投資規模の拡大戦略といった、
この10年間の活動成績を見ると、
以下の分野が重要な投資先となるだろう。

①グループ系各子会社の連携、
周辺産業の開発戦略を持つ企業
(HAG、FPT、HPG)への投資が
中長期的に良い投資戦略といえる。
また、資材供給のシェアが
安定的に増加するので、
各企業が自社製品を多く利用する分野
(不動産など)へ投資を始めた。
従って、企業は
経費を大きく節約することができ、
利回り率の高い分野へ
投資することができる。
そして、この分野は
投資家に年間26.4%の利益を
与える可能性を秘めている。

②シェアの拡大および
周辺産業の開拓の戦略について、
ゴムおよびプラスチックから
製品を生産する分野が安定的に発展している。
2004年より、この分野は
マーケットシェアを40%以上拡大し、
印象的な利益成長率を達した。
(年間平均45%)
また、利回り率は高く年間23%である。
さらに、投資家に対する利回り率も
年間33%である。

③専門的建設分野(Song Daグループ)は
建設が急速に発展するという
市場活動の有利性により、
長い活動歴史においても、
利益増加率が安定して高い。
(平均年間30%)
また、この分野の特徴は
借入額が高いため、
投資家に対して
利回り率年間18.2%を提供する。

④不動産分野は利益成長率年間48%と、
発展潜在力が大きい。
市民の預金が増加傾向にあり、
人口も若年層が多く、
都心化が急速にすすむ背景において、
不動産分野の発展は当然のことでもある。
また、不動産会社も専門性を高めてあり
大規模住宅団地、ショッピングセンター、
工業団地といった案件も多く実施されている。

2000年より、不動産分野は
平均年間29%の成長率に達した。
また、この4四半期も
不動産市場が衰退期に入ったにも関わらず、
不動産分野の株式の
EPS(1株当たり利益)は
3,400VNDに達する。


分野別の利回り率 – 単位: %
分野ROE TrailingROEROA TrailingROA
石炭33.733.517.060.77
プラスチック33.0917.7822.9712.34
鉱山開拓サービス30.147.787.92.04
在住サービス28.224.9425.684.4
タバコ生産27.767.378.722.32
農業27.384.3621.613.44
その他加工・製造23.278.8220.37.7
金属鉱物開拓22.027.5119.596.68
労働者派遣21.323.856.741.22
建築19.0769.783.08
化学物18.747.6613.885.67
専用建設活動18.627.535.482.22
その他の鉱山開拓17.9843.359.8223.68
民間向け建設17.945.235.161.5
(出典: TVSI, CEIC)


ATPVietnam.com 2009年9月2日

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