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2010年02月08日

2010年展望 分野別に分析


ベトナム経済が回復傾向にあり、各生産分野の活動も安定している。
これに伴い、鉄、自然ゴム、肥料、農産物、建設資材等、
各種資材商品に対する需要が増加傾向にある。
これは資材生産企業の活動に、追い風となっている。


不動産、財政サービス分野は、高成長しやすい傾向にあったが、
経済衰退による影響で、今年1年間に投資すべき分野は、
不動産、石油、財政サービス、基本資材(自然資材)と鉱山開拓である
と分析された。


不動産分野

ベトナムにおける住宅の需要は大きく、建設省住宅・不動産管理局によると、
現在、居住用面積は1兆430億平米あり、1人当たり12平米となっている。
都心の居住用面積は制限されており、ホーチミン市では1人当たり13.6平米、
ハノイ市では12平米だが、2020年には20平米に増える。

年間30%~33%の割合で都市化が進み、ベトナムは毎年、
居住用建物3000万平米~3500万平米を建設する必要がある。
これは住宅不動産市場の開発、特に20億USD以下の住宅開発に対して
大きな需要である。

オフィスリース分野においては、経済の急速な発展、
外国投資や企業数の増加と共に、需要が増えている。
大都市におけるオフィスリース市場は、
効果的に発展する分野と言える。

ただ、企業は賃料の安さを重視するため、
都心から離れた場所を探す傾向にある。
大規模マーケットを開発するための小売用面積、
特に1万平米以上の面積は依然不足している。

現在、上場している不動産企業は、市場全体の5%を占め、
時価総額は全体の16.62%を占めている。
2009年はNTL、LCG、SJS、DIG、HAG、ITCが好業績を収め、
これらの企業は広い土地を持ち、2010年の発展展望が高い。


石油分野

石油はベトナムの先鋒開発分野であり、輸出総額の20%、
国家予算の24%、年間GDPの16%を占めている。
石油関係企業の活動は多様で、石油の研究、調査、
開拓、加工、保管、運搬、販売などを展開している。

2010年のベトナムの石油開拓産量は1日42万バレル。
これが2012年には1日40万バレルになる。
2010年の消費産量は1日49万バレル(2009年には35万4,000バレル)に
達する見込みである。

エネルギーの安全を確保するため、ベトナム国内で開拓される石油は、
優先的に石油精製工場及び国内需要に供給される。
典型的な例としては、Dung Quat石油精製工場が挙げられるが、
同工場は2009年に試験的に活動、1日55,000バレルを市場に供給した。
2010年から本格的に活動し、平均1日13万バレルを供給。
ベトナム市場の需要に、約34.67%対応できると予測されている。

ベトナム石油グループ(PVN)は、東南アジア、南アメリカ、
ヨーロッパ等の地域で石油を調査、開拓しているため、
石油分野で活動している企業は、最大の生産能力を活用できる
入口源と出口源を確保される。

中国の石油分野のPERは約40倍以上、タイが15倍、
インドが30倍以上、フィリピンは20倍であるが、
ベトナムの有名な石油会社(PVD、PVS、PGD)のPERは
10倍~12倍で変動していることは魅力的である。

現在、ベトナム証券市場に上場している石油関係会社は17社。


証券分野

ベトナム証券市場には105の証券会社がある。
このうち、SSI、HSC、AGR、KLS、BVSC、CTS、SHS、WSSの8社が上場している。
2010年、ベトナム証券市場に導入された資金が増加し、
市場の流動性が改善された。
また、2月8日からHASTCがオンライン取引を展開し、
証券管理機関がT+2で証券の取引を許可する予定。

証券会社にとって、仲介、自己売買は主な活動内容であり、
主な収入源になる。ただ、2009年と比べ、2010年の証券会社の利益は
急速には変わらず、厳しい金融政策の影響で、巨額の資金は市場に導入されない。
また、証券投資準備資金の回収も多くない。


基本資材分野

基本資材の中では鉄とゴム分野を中心に分析する。
鉄については、2009年に多くの企業が印象的な業績を発表した。
2008年末および2009年第1四半期には、安価で原料を輸入でき、
政府の金利支援政策も得られた。
鉄の産量は、2009年第2四半期から第4四半期末まで、
前年より25%増加、消費が30%増加した。
鉄の価格も2008年末及び2009年第1四半期より急上昇。
1トン当たり1000万VNDから1100万VNDに上昇した。

2010年には経済回復と共に、鉄の価格が引き続き上昇し、
年末に1トン当たり600USDになる可能性が高い。
今年の消費も、2009年より約10%増加すると予測されている。
鉄製品の産量は、主に建設用の鉄が、需要を大きく超えた。
また、中国、東南アジアの安い鉄の供給源が徐々に大きくなっている。
世界中で、鉄の価格が引き続き上昇する傾向にあり、
2010年6月に1トン560USDになる可能性があるため、
2010年の鉄企業の利益更に増加すると予測されている。

ゴム分野について、自然ゴムと石油から加工されるゴムがある。
現在、自然ゴムに対する需要が世界全体の40%~45%を占める。
ゴムは主にタイヤの加工に使用されるので、
自動車工業分野の変動が、世界のゴムの消費及びゴム価格に
大きく影響を与える。ベトナムは自然ゴム供給源で世界6位、
ゴム開拓で5位、ゴム輸出で4位。
近年、ゴムはベトナム輸出の中でも重要な製品であり、
全体の2%~3%を占めている。

統計総局によると、2009年にはベトナムが726,000トンのゴムを輸出し、
前年より10.3%増加、12億USDに達し、前年より25.2%を減らした。
ベトナムの自然ゴムの栽培面積、開拓量が毎年増加した。
2008年のベトナムゴムの栽培面積が618,6万平米を達し、
2009年より4.8%を増加し、648,6万平米になる。

現在、8社のゴム会社が上場しており、DPR、PHR、 HRC、
TRC、 TNCの5社がゴム栽培、開拓、加工している。
同分野で活動している企業は、2009年に好業績を達成した。
2009年第4四半期に、ゴムの価格が年初より50%近く上昇したことが
要因となっている。

現在、ゴムの価格が1トン4600万VNDで取引され、上昇傾向にある。
ゴム生産国協会 (ANRPC)は、自然ゴムが、
2010年に前年より30%上昇すると予測している。
自然ゴムの産量は急速に減っているが、世界経済が積極的に変動し、
自動車産業が回復しているので、需要が増加している。
このため、自然ゴムの需給バランスが取れていない。

ベトナムはまだ経済発展の時期であり、政府は常に、工業、交通、
インフラ整備の分野に大きな関心を寄せている。
ベトナム国内でのゴム販売会社が少なく、タイヤ加工分野が
安定した活動を維持し、10%の売上成長率を維持する可能性が高い。
2010年の利益は前年より大きく変わらないが、平均15%で維持される見込みだ。


鉱山開拓分野

鉱山開拓分野について、石炭分野を中心に分析する。
同分野は、経済衰退の影響を受け、2009年の国内消費需要が大幅減となった。
ベトナム財務省は2008年6月に石炭輸出税率を20%に引き上げた後、
2009年2月15日に再び10%に下げた。

石炭開拓会社の利益は、ベトナム石炭・鉱山公社(TKV)の
規則に基づいて確定される。
現在、TKVは2%の利益率(2008年は5%)を適用しているが、
ベトナムの今後の主な輸入市場は中国である。

現在、同様の種類の石炭では、中国の石炭の価格が
世界でも最も高く(最高時46%)、ベトナム国内の需要も
今後増加する見込みである。

短期間ではベトナム電力公社(EVN)に属する
Hai Phong1熱力発電所、Quang Ninh 1熱力発電所、
O Mon 1熱力発電所等の工場が活動開始する関係で、
石炭に対する需要が大きく増加する見込みである。
また、現在、多くの石炭鉱山が露天部分を全て開拓したので、
今後、石炭開拓経費が高騰するため、TKVは
石炭会社に対する今年の利益計画について検討しなくてはいけない。



証券投資紙 2010年2月8日

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