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2010年03月11日

アジアの経済力 レジェンドと実際


アジアの経済力は発展したが、
実際は思ったほどでもないのだろうか。


「世界経済中心部が東方に移転している」と以前から言われている。
多くの人によると、
国際経済危機は間接的に世界経済力を
アメリカやヨーロッパからアジアに移転させていた。

アジアの経済発展国は
世界の発展国より早期に危機を乗り越え、
銀行システムとローン状況は
アメリカ、ヨーロッパなどより健全である。

2009年、中国はドイツを超えて世界の第2位の最大輸出国になった。
中国は10年後に世界の最大経済国になるとも予測されている。
しかし「経済力」はどこまでアジアに移転するのだろうか。

レジェンド?

昨年、アジア地域は企業、銀行にとって重要なエリアとなり、
記録的な利益を与えた。

最近、アメリカとヨーロッパの高級経営者らがアジアに転勤している。
Michael Geoghehan –HSBC社長は
2月1日にロンドンから香港に転勤した。
1995年より、アジアの実質GDP成長率は
アメリカやヨーロッパの2倍である。
Morgan Stanley は今年、
アジアの平均成長率は7%、
アメリカが3%、ヨーロッパが1.2%だと発表した。

これらのデータを慎重に検討すると、
経済力が西方から東方に移るというのは誇張かもしれない。

原因のひとつには各国の貨幣の切り下げ、
世界のGDPに対するアジアの実質的な貢献が
1995年から2010年までに、29%から27%に減少したことにある。
2009年にはアジア総生産がアメリカを超えたが、
ヨーロッパより少なかった。
しかし今年はそれを超える可能性がある。

また、西方の生産量が東方より2倍増加している。
世界の輸出市場におけるアジア産業のマーケットシェアが
徐々に大きくなり、
昨年の31%、1995年の28%よりあまり高くなく、
ヨーロッパのシェアよりまだ低い。

実際、世界経済力のアジアへの移転は徐々に勢いをなくしてきている。
世界の生産量と輸出総額におけるアジアの割合が
1980年代と1990年代初頭に急速に増加したが、
その時点から現在まで中国のシェアが伸び、
日本の衰退(生産量及び輸出量の割合が半分に減った)
による減少率しか補足できない。

アジアの財政力はどこまでなのだろうか。
各アジア証券市場は世界全体の時価総額の34%を占め、
アメリカの33%、ヨーロッパの27%よりも大きい。
アジアの各中央銀行も世界全体の外貨準備資金の3分の2を保有している。

これらの数字は非常に印象深いものであるが、
世界の金融市場に与える影響が弱い。

理由は正式な準備資産が世界全体の資産の5%に過ぎず、
世界の民間の資産は主にヨーロッパに保有されていることによる。
アジアの貨幣が外貨準備資金の3%のシェアで、
アジアが財政社会で出遅れている。

実際は?

「アジアの発展」はレジェンドではない。
GDPのデータは市場の為替レートで計算しないと、
GDPの実質の成長率が現れない。
アジアの多くの国の貨幣は
1990年代にアジア経済危機でUSDと大きく下げた。
日本のGDPも大きく減少した。
低所得国では物価が低いので、実際の消費需要が高い。

相当な消費力(purchasing-power parity, PPP)に基づいて計算される
GDPは世界経済に対するアジアの割合が安定的に増加し、
1980年の18%から1995年の27%、2009年の34%増と推移した。

PPP方式で計算する場合、アジア経済が今後の4年間で
アメリカとヨーロッパの経済を超える。
そして、世界で4つの最大経済国をアジアに位置づけている(中国、日本、インド)。
アジアはこの10年間で世界のGDP成長率の半分を占めている。
経済学者らによると、
PPP方式で計算することがアジア経済による影響を誇張している。

ヨーロッパ企業の本当の関心事は、
USDで計算される人民の消費である。
世界の人口の3/5がアジアに居住しているが、
民間消費は世界の1/5に過ぎない。

ただ、正式な統計データは
アジアの発展途上国の消費を正確に現していない。

The Ecomomist週刊誌の経済情報センターのデータによると、
全世界の小売の売上の1/3はアジアである。

現在、アジアは世界で一番多く消費商品を
輸入する地域である。
昨年アジアは自動車の約35%、携帯電話の43%、エネルギーの35%を輸入した。

また、2000年から現在までの、
世界のエネルギー需要増の2/3以上はアジアである。

そのため、アジアへの投資に対して関心を高めている
ヨーロッパ企業が増えてきている。
2009年には世界中の投資総額の40%がアジアに投入され、
その金額はアメリカとヨーロッパの資金に相当する。
金融分野においても、アジア企業が世界のIPO案件10件中8件を占めた。
2009年、香港と中国で行われたIPOは調達資金がアメリカの2倍に達した。

今後の予測

Winston Churchill元英国首相は、
「昔を振り返って見ると、将来が見える」と言った。

これまで経過した時代の中で、
18世紀はアジアが世界の生産量の半分を以上に貢献した期間である。
今後、アジアの役割はもっと重要になるだろう。
次の世紀には経済発展国の成長幅が縮小される可能性が高い。
各家庭の負債も多いため、今後の消費は減少する。
政府の負債も危険な状態になった。
課税制度が働き、動力と投資に影響を与える。
逆に、アジアの経済発展途上国が引き続き強くなる。
アジア企業は現在、ヨーロッパの大企業の売上と利益の20%~25%だが、
2020年には、その50%に相当する利益を生み出すだろう。


サイゴンエコノミックスタイムズ 2010年3月10日

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