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2008年02月26日

ベトナムの事実〜それでも成長する〜


ベトナム株式市場の近況と所見を思いつくままに記してみる

1)インフレ抑制や株価・不動産の行過ぎた価格形成を是正する動き
 ・預金準備率の引き上げ      →市中金利上昇
 ・国債の市中強制消化(売りオペ) →市中金利上昇
 ・不動産担保貸付の一時中止    →不動産市場の沈静化(不動産不況?)
 ・証券担保貸付(信用取引)の規制 →株式流入資金減少
※実体経済以上の株式市場の高騰や、不動産バブルは1年以上前から確実な予兆はあった。
 何もしなかったベトナム政府。ここに来て色々な政策を打ち始めているが、
 成果やいかに??

2)投資不適格?国営企業民営化案件
 日本で販売されていたベトナムファンドの触れ込みの多くは
 ”国営企業の民営化””第2の中国”で合った。
 結果として国営企業の民営化案件で多くの人が利益を出せたのは、
 ビナミルクぐらいでは無いだろうか。
 それも案件が良かったから利益を享受したのではなく、
 急速な相場上昇によるものであったように見受ける。

3)国営企業民営化案件の度重なる失敗
 07年第2四半期、バオベト保険民営化  →IPO失敗
 08年第1四半期 ベトコンバンクIPO →成功とは言えず

※国営企業民営化(他国通常のパターン)
  →少々安めに株価を設定し、
   →市場参加者を儲けさせる
    →株式市場活性化狙い

 ベトナムの場合
  →高値で株価を設定し
   →個人投資家に大きく損をさせる
    →国家が利益

4)利権がらみのベトナム人分析
 政府や一部利権がらみのベトナム人たちの考え方、言動を分析すると、
  1、両天秤    
  2、価格吊り上げ 
  3、焦らし
 といったプロセスで動いている。
 当社も当初は利権を狙っていただけに、
 この”焦らし”に付き合うことは相当の労力を要した(苦笑)

5)それでも成長するベトナム
 色々な問題はあるが、各種データはベトナムの経済成長が続いてゆくことを物語っている。
 貿易統計しかり、継続的な外国企業進出や、FDIしかり。

 大きな問題があってもそれ以上の原動力があれば、物事は前に進み、成長するのだ!!
 法律の整備やコンプライアンスをきっちり進めているのに、
 全く経済成長しない亡国とは大違いである。


こんな悲観的な事ばかり書くので、
先日のセミナーで
”ベトナムは有望な投資先では無いということですか??”
という質問を受けてしまいました。
これだけ理解できぬ要素を抱えながらも大きく成長していること、
それだけは”ベトナムの事実”です(笑)


大木健司(Kenji Oki)

株式会社ブルーチップ・コンサルティング

URL   http://www.bcc-jp.com/


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