成長著しいベトナム小売市場
今年に入って、ベトナムでは
スーパーマーケットの新規出店が相次いでいる。
経済成長著しいベトナムでは、こういった小売形態が、
大きく発展しそうだ。
ホーチミンを中心に展開している、
Co-opサイゴンスーパーマーケットだ。
Co-op は今年12月に新たに4支店をオープンさせ、
総支店数が33に達した。
計画では、旧正月までにホーチミン周辺地区に
さらに2つの店舗を展開する予定である。
2015年までに100店舗出店を目指している。
他にもFivimartは今年、支店数を10から15に拡大した。
MaximartのNguyen Anh Hong社長は
「場所さえ見つかれば、すぐに店舗建設に取り掛かる」と述べ、
店舗数拡大に、意欲を見せた。
ちなみに、ベトナム人が買い物先を選ぶときの基準は、
①家から近いこと 88.9%
②交通が便利な場所 79%
である。当たり前の話ではあるが、
交通インフラの整備が遅れるベトナムでは、
人口密集地に出店できれば、
それだけで、かなりの集客が約束されることになるのである。
ベトナム小売市場発展の見込み
「ベトナムの小売市場は、世界一魅力的である」と、
アメリカのA.T.Kearneyコンサルティング会社は、発表している。
その理由として
①人口の多さ 世界第13位
②経済成長率が高いこと、そして安定していること
③平均所得が上がっていること
08年には1,000ドル以上になる見込み
そして、スーパーマーケットで買い物する、という習慣が
ベトナム人の中にも出来上がりつつあるのも、大きな要素だ。
その理由として
①冷蔵庫が普及しつつある
②勤務時間が増えてきている
③食品の安全性に対する認識が高まってきている
④ブランドを意識する人が増えてきている
WTO加盟の影響
WTO加盟条件として、ベトナムは以下の規制緩和を行っている。
①2008年:50%外国資本の
小売スパーマーケットがベトナム進出可能になる
②2009年以降:100%外国資本の
小売スパーマーケットがベトナムに進出可能
このため、来年以降、海外大手が
ベトナム進出してくる可能性が高い。
すでにアメリカWal-Martの代表は
ベトナム進出の意思を公にしている。
だからこそ、国内企業は良い一刻も早く、
条件の良い土地を確保し、
海外大手の進出に対抗しなければならないのだ。
ベトナムの不動産市場の現状
最近、ベトナムの不動産市場は悪化している。
CBRE調査では、ベトナムの家賃が
14~22%減というデータが出ている。
専門家の分析によると、市場の回復は
2010年までかかると見られている。
これは、資本力の弱いベトナムの
小売企業にとって、条件の良い場所を
安価で長期的に押さえられる良いタイミングである。
結論
海外大手の進出が避けられない今日、
国内企業がとれる対策は、
まず優良な土地の確保し、店舗数を拡大させることとなる。
しかし、さらなる成長のためには、
価格や品質、サービスなどでも競争力をつける必要がある。
(クイン)