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2008年12月08日

食品安全問題 (2)国民の安全意識を底上げせよ


食品安全は世界の問題である。
健康や人々の生活に直接に影響を与える問題なだけに、
どの国でも、その意識は高まっている。
ベトナムでは、食中毒などを検査・分析・管理するシステムに
限界が来ている。

07年、ベトナム国内で起きた食中毒事件は、
分かっているだけで248件、
7,300人が犠牲となり、そのうち55人が亡くなっている。
前の年に比べ、件数にして83件、
犠牲者は200人が増加している。
食品関連の問題が新聞に取りざたされることも多くなり、
肉や魚介類から危険物質が発見されることもしばしばだ。

ベトナムでは、農家や畜産家が
少量ずつ生産していることが多く、
品質管理が難しい。
専門知識のない検査官が、
予報薬センターで働いていることもある。

国民の認識もまだまだ薄い。
食品安全問題を深刻に捉えず、
生産方式や薬品使用を変えない生産家もいる。
汚染食品が原因で体を壊す、という認識自体が薄く、
安全知識も不足している。
味や食材の価格にばかり関心を寄せ、
危険を顧みない食生活が営まれているのが、
ベトナムの現状だ。

危険な肥料や殺虫剤も、規制できていない。
商工省の調査によると、企業の食堂の衛生に対する意識も
まだまだ未熟だという。
ある工業団地の食堂では、安全基準の52.6%にしか達していなかった。

病気の流行を確実に防ぐため、食品安全管理局は、
全国で生産・流通・配分の
安全性チェックシステムを立ち上げている。
これは偽装や品質不良な食品を防ぐためのものだ。

国民の安全意識を高めるためには、
さまざまな努力が必要とされる。
食品安全について、広告キャンペーンや
セミナーを開催するのも効果的だろう。
生産者に対する視察を強化する方法もある。

これらの活動は、すでにいくつか実行に移されている。
しかし、その費用は1人当たり1,100VND(0.07USD)とも言われ、
その効果が経済力のない田舎まで行き渡るには、
まだ、解決しなければならない問題が多いようだ。


(フン)


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