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2009年02月02日

潜むターゲットに攻撃を~オンラインゲーム市場~


総人口の7割近くが15~64歳という
若い国ベトナム。
そんなベトナムの
新たな娯楽として広まりつつあるゲーム市場は、
特に、若年層をターゲットとした
潜在的大規模市場として注目されつつある。


2005年、ベトナムでオンラインゲームの
サービスが開始された。
主に海外輸入の形で提供されているが、
市場規模は年々拡大し2006年:3,000万US$、
2007年4,500千万US$に達し、
2010年には8,300千万US$となる見込みだ。

社会的有益性

ゲームがプレイできる店も各地に出店され、
大勢の青少年で賑わっている。

(1)ITになじむ
オンラインゲームの人気は、
インターネットの普及に一役買っている。

(2)勉強に役立つ
ゲーム要素を取り入れた教育ソフトなどを使い、
多くの子供らが遊びながら勉強している。

心身の不健康を助長

しかし、当然ながらゲームの過剰プレイは、
様々な問題を引き起こしている。

(1)浪費傾向
ゲームに熱中する余り、
無駄な時間とお金を消費してしまう。

(2)生活リズムの乱れ
生活が乱れ、不登校を助長する。
授業に集中できず、成績が下がる生徒も少なくはない。

(3)成長の阻害
暴力的で残虐的な描写の多いコンテンツは、
その成長に悪影響を与えている。
昨今、未成年の犯罪は増加傾向にあるが
暴力的なゲームの影響だとの指摘もある。

発展に向けて

(1)適切な管理
オンラインゲームの歴史は浅く、
現在、管理や規制のガイドラインはほとんどない。

なんら対策することなく、
野放しのまま放置することは、
消費者や社会に大きなダメージを与える。

企業は社会的責任を認識し、
関係する行政機関は問題を把握し、
周囲の人々の理解と協力のもと、
対策が必要だ。

対策事例1:ゲーム以外に興味を持たせる
   長期休暇を利用した、野外活動プログラムの参加

対策事例2:海外の場合
   ・影響についてのポスターを店舗に掲示(台湾・韓国)
   ・ゲームの時間を制限するシステム(中国)
   ・有害コンテンツの販売規制(日本など)

(2)開発環境と人材の育成
ベトナムでは、ゲームコンテンツの多くは、
海外からの供給に依存している。
ベトナム内では、開発側の人材も不足している

多くの可能性を秘めると共に、
デメリットを併せ持つオンラインゲーム。
これを上手く操作(管理)するには、
まず、開発段階からコンテンツを検討する必要がある。

開発スキルを向上させ
ベトナム独自のコンテンツの充実を図り、
オリジナリティーを高める。
消費者にとっても、業界にとっても
有益なことだ。

人材育成が欠かせないが、
興味を持つ若者は多くいるはずだ。
その気持ちを伸ばしていかぬ手はない。

市場も拡大傾向にあり、
海外からの技術・投資の両面での
支援も十分期待できる。

ややもすると、敵視しがちなゲームだが、
敵(デメリット)と見方(メリット)を見極め、
問題を撃破したい。



調査・分析部 Phuong

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