外資系金融機関 ベトナム経済成長 楽観視
6月20日、HSBCとMorgan Stanleyが同時に、
ベトナム経済を楽観的に捉えた報告書を公表した。
HOSEとHASTCは連続して上昇。
以下は二つの報告書の主な内容である。
楽観点が多い
主にインフレの抑制展望、貿易赤字の制限、
短期間で為替レートをコントロールする能力に関する問題を分析。
(1) HSBCが楽観的な結論を出した。
コメが値下がりし、金の輸入、鉄の投機、四輪者の購入が減少しており、
今後ベトナムのインフレ及び貿易赤字が改善に向かう。
同報告書では、投機が貿易赤字を作る大きな役割を担うので、
このニーズが軽減されると、輸入超過問題についての良い情報を得られる。
同様に、Morgan Stanleyも、
第4四半期初頭に、輸入超過がかなり改善され、
輸入増加率が現在の70%から、
3,4ヶ月後には15%~20%下がるとした。
これが実現すれば、輸入超過は改善するが、
輸出は現状を維持する必要がある。
Morgan Stanleyがこのように予想する根拠は、
金利の上昇により企業の営業用の輸入ニーズ及び投機ニーズが
軽減されることにある。
インフレについて、Morgan StanleyはHSBCより慎重な考えで、
食糧及びエネルギーの価格が、依然高値維持される可能性があり、
インフレも引き続き高く止まると予想している。
(2) 為替レートの圧力は、予想通りの作用をしていない。
Morgan Stanleyによると、
NDF為替レート(有期限の金融契約による為替レート)は、
ベトナムの為替レートに関するリスクを正しく反映していないが、
政府が為替レートを強く調整する可能性は低い。
理由は、調整することにより外貨市場が不安定になると共に、
社会の信用がなくなり、インフレが上昇するためだ。
*この分析は、現在のベトナム状況に対し合理的であり、
ベトナムドンのレートを切り下げる必要はない、
ベトナムの貨幣が打たれる可能性は低く、
レート切り下げが早すぎると、社会は安定するが、
インフレに影響を与える。
(3) 導入資金に関する良い考え:
ベトナム貿易赤字に補充する資金は、FDI資金、
間接投資資金、短期借金である。
これらの資金が急速に増加するか、早期に換金されない場合は、
ベトナムの経済状況が非常に楽観的となったことを表す。
この二つの報告書がこれらの資金に対して積極的に分析し、
最近の大機関投資家の恐れとは逆行している。
HSBCによると、他の投資資金が減少している背景において、
FDIが急増することは良い傾向である。
証券市場及び不動産市場が苦境に陥り、
投資家は換金する意思があるが、外貨市場の流動性が良くないため、
大量に資金を換金することが難しい。
他方、ベトナムドンの金利が高く上げられたことにより、
この投資資金の一部がベトナムに残る。
Morgan Stanleyの考えも同様で、
資本市場の一部の流動性が弱いため、大量に換金しにくい。
他方で、大きな外貨予備資金が、
資本口座の両替や換金による悪影響を制限することができる。
新しい問題と以前の問題
この2つの報告書で掲載された楽観的な分析や
ベトナム関係機関による公表資料、政府公約により、
インフレ及び貿易赤字に対する懸念や、換金状況がかなり減少している。
しかし、HSBCによると、ベトナムはまだ困難な段階を越えていない。
Morgan Stanleyは、
新しい問題や今後対面するであろう以前の問題について分析した。
- 新しい問題:銀行システム
Morgan Stanleyによると、今後12ヶ月に、
ベトナム銀行システムは様々な問題に対面しなければならない。
証券市場や不動産市場の暴落により、銀行の不良債権が増えた。
また、現在の状況ではベトナム銀行が外国に資金を借りられる可能性が低い。
- 以前の問題:インフレ
インフレによる最大の問題は、ガソリンの価格である。
Morgan Stanleyによると、
ベトナム政府はガソリンの価格を支える能力を充分に持っているが、
世界中で原油が急激に値上がりした時に、
ベトナム政府が引き続きガソリンの値段を支えられるかは、
定かではない。
したがって、政府が引き続き支えることができなければ、
国内のガソリンの値上げがインフレの上昇を促進する可能性が大きくなる。
- 経済成長及び企業の利益に関する懸念:
Morgan Stanleyの分析によると、
経済が衰退し、負債が大きくなると、企業も大きな影響を受けるため、
財政報告書では証券、不動産の赤字が目立つ。
ただ、全ての企業に関してではない。
企業の活動分野が大きく影響を受けるものではなく、
その企業が金融投資をしない場合や、リスクの予防をした場合、
予想外の利益報告をする可能性もある。
影響の大きい銀行分野、薬品分野の中でも、
業績の良い企業、悪い企業は分化している。
銀行分野の分化は、
今後の不動産貸出資金の決算時期に当たって明確になる。
経済成長について、Morgan Stanleyによると、
信用の供給が管理され(2008年中に成長率が30%以下)、
貸出金利が高いため、GDPが引き続き下がる可能性があり、
2008年第1四半期の7.5%と前年同期8.5%から、
翌年同期には5.5%~6%に下がると予想される。
GDP成長率が下がると、証券市場は新たな挑戦に直面することになる。
結論
マクロ経済状況について短期的な楽観を示した。
このことでここ数日間、証券市場が上昇。
幾つかの機関投資家が大量に株式を購入し、
証券市場及び銀行の流動性が改善されたため、
担保株式の解約圧力も若干減少した。
ただ、HSBCによると、ベトナムは中長期には現在の問題を解決できるが、
様々な挑戦がまだ目の前にある。
Morgan Stanleyによると、
今から政府が決定的な方策を適用しなければ
状況がもっとひどくなる可能性もある。
したがって、投資家も慎重に考える必要がある。
今回の報告書は先月の報告より評価が高かった。
悪い情報が多いと、後に良い情報が出てくるが、
良い情報が多すぎる場合は慎重に対応すべきだ。
ある意見では、ベトナムが以前からインフレの抑制の好機を見逃したため、
今後政府は銀行、ガソリンの値上げによるリスクに素早く対応し、
ベトナム経済の困難を早期に乗り越え、
安定的に発展することを期待されている。
Morgan Stanleyの提案のように、
今、政府はもっと積極的な改善を実施すべきある。
政府の改善により経済状況がよくなると、
証券市場も本当に良くなり、安定的に発展する。
この2つの報告の分析に関する比較
| 指標 | HSBC | Morgan Stanley |
| インフレ | 短期的に楽観 | 慎重に見るべき |
| 貿易赤字 | 楽観 | 楽観 |
| 資金源 | 楽観 | 強い影響はない |
| 為替レート | NDF為替レートが 異常に反応した | ベトナムドンの切り上げの 可能性は低い |
| 国債 | 慎重、債券の利回り率は 最高に上がった | 明確に分析せず |
| 銀行 | 流動性は徐々に改善 | 慎重、今後12ヶ月にリスクが 更に拡大する恐れも |
| 本当の経済状況 | あまり分析せず | ベトナムの成長率が下がり、 企業の利益が悪化する恐れも |
証券投資紙 2008年7月1日
