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2008年10月02日

アメリカ金融危機 ベトナムにはさほど影響しない?


ズン首相は、10月1日午前に行われた
各関係機関、経済専門定例会議の中で、
現在のアメリカ信用・銀行危機が、
ベトナムの経済及と金融・銀行システムに
ほぼ影響を与えないことを確認した。

昨年8月から顕在化したアメリカの信用・銀行危機は、
先月、アメリカ第4位の投資銀行リーマン・ブラザーズ の経営破綻や、
Merill Lynchの買収、AIG国営化など、最悪の状況に陥った。

現在、アメリカの117の銀行に経営破綻の危険があり、
150の銀行が年内にも破綻する可能性が高い。
またヨーロッパでも多くの大規模銀行が経営破綻に直面している。
アメリカ議会で7,000億ドルの公的資金投入が否決されたことで、
この危機はさらに拡大する模様である。

こういった状況の中で財務省は、アメリカの変動は
ベトナム保険市場にはまだ影響していないことを確認した。
AIGの2つのベトナム子会社は平常稼動しており、
資本金や清算能力に関する規定にまだ対応できている。
加えて、AIGのマーケットシェアは5.5%に留まるため、
ベトナム保険市場にそれほど影響を及ぼさない。

その他各関係機関は、アメリカ金融危機は
ベトナムの金融市場や銀行に直接影響を与えない、
との意見を示している。
なぜならば、ベトナム金融市場がまだアメリカ金融市場や
各先進国の金融市場と連携できていないためだ。
しかし、この危機によりアメリカ経済だけでなく、
全世界の経済が混乱することが予想されるため、
ベトナムの輸出や投資には影響が出ることが見込まれる。
各国の経済衰退により、人々の消費が落ち込み、
ベトナムの主な輸出商品(服、靴、水産)も減少する恐れがある。
同時に、直接投資・間接投資資金も減少する恐れがある。

ズン首相は会議の最後に、
アメリカ金融危機はベトナム経済に対し、
小さな影響は出るものの、規模はさほど大きくないことを確認した。
ベトナム政府は引き続きマクロ経済を安定に努めるとともに、
成長目標はそのまま維持することを決定した。

首相は以下のことが、国内市場の成長に重要であることを強調した。
・9月中にインフレ急減すること
・VND/USDの為替レートが安定すること
・各銀行の流動性を良くすること
・証券市場への間接投資が安定していること、
・貿易が黒字であること
・外貨準備資金が増加すること

また、ベトナム経済は現在の世界の状況に対し、
チャンスを利用して困難な状況を乗り越える必要がある、と述べた。

ズン首相は、ベトナム政府が合理的な成長率を維持し、
企業と経済全体の流動性を確保するため、
引き続き厳しくも柔軟な金融政策を実施すると確認した。
首相は財務省に対して、
証券市場の健全な発展の確保と、
保険分野と各投資ファンドの活動をよく監査するよう要請した。
国家銀行は各商業銀行に、
不動産投資への貸出案件を再度検討することを要請する。

また、商工省に対し、輸出促進と、
輸入超過減少のため、輸入の厳重管理を求めた。
国家銀行に対しては、各信用機関を活動を厳重に管理し、
問題が発生した保険会社を監査対象に入れることを求めた。


ベトナムテレビ局 2008年2月10日


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