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2009年04月11日

国営企業民営化は不全状態


「民営化」という言葉はこの15年もの間、
ベトナム経済発展に対して
よく使われた言葉である。
国営企業の民営化は
1992年より提起されたが、
現在、民営化が最も困難な状況にあるようだ。



民営化の道筋は今後変化する
昨年までと異なり、
現在、民営化を口にする人は
ほとんどいない。
企業の役員さえもそんな状態で、
この数年間のうちで
民営化の成果は
計画に対して非常に低い状態である。

残務の数々
最新の統計資料によると、
2008年末までに
全国の国営企業6,200社中5,414社が改善、
そのうちの3,836社が民営化され、
改善を終えた企業は全体の70.8%を占める。

首相により承認された計画によると、
2007年-10年にかけて
全国1,553社の国営企業を改善し、
そのうちの950社が民営化される予定である。
財務省の統計によると、
2008年末時点で、
まだ改善されていない国営企業は
1,192社に上っている。
政府目標の2010年には
国営企業は700社~800社しか
残さない予定である。

ただ、2007年の1年間では
計画550社に対して271社しか改善されていない。
そのうち116社が民営化された。
2008年も、計画262社に対して
改善されたのは119社で74社が民営化された。
従って、2009年-10年にかけて
政府の計画を達するためには
750社の国営企業を民営化する必要があるが、
到底無理なことであろう。

政府に提出された最新報告書の中で
財務省は2008年の民営化の結果について
「経済状況が困難な状態であり、
証券市場が大きく変動するので、
国営企業の民営化にも大きく影響があった」
と説明した。

実施は困難?
財務省は、
大企業の改善および民営化が
計画通り実施できない原因は
実施ガイドラインがないことだとしている。
例えば、企業の商標や土地使用権、立地といった
各種の価格算定方法、戦略投資家の選択方法等など、
これらの算出や決定には、
数多くの企業や管理機関に意見を求め、
時間と労力が必要であったという。

また、数社では
民営化の準備が十分に行われていないため、
親会社が民営化した後も
子会社が民営化しないケースも多い。
そして、民営化の指導も積極的に行われておらず、
労使間で意見の統一されていない。

さらに、各企業も
主導的に既存の財政問題を処理しないため、
民営化がなかなか進まない。
その上、ベトナムの民営化コンサルティング会社は
経験や専門能力が不足しており、
大規模なIPO、戦略投資家の選択、
財政問題の処理に関するコンサルティングは
その実施が大幅に制限される。
一方、ベトナムで活動している
外国コンサルティング会社はまだ少なく、
このような原因から
民営化のスケジュールは遅延している。

2008年、民営化と上場申請とを
同時に行う規定は無視された。
そして、国営企業の国有資金代表権の実施でも
政府機関により行政的な干渉があった。

財務省の担当者によると、
多くの国営企業の役員は
民営化について不信感を持つ。
そして、それらの多くは、
国家資産の損失や民営化の問題が
刑事事件となることを恐れいるという。



サイゴンエコノミックスタイムズ 2009年4月10日

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