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2009年10月22日

証券価格支える利益と資金源


分析技術が強い証券会社の予測において
VN-Indexが短期間で
520~525ポイント下落すると
されるにも関わらず、
先週、株価は1回の下落後
(VN-Index550ポイント)に回復した。
投資家は上場会社が
年末に急速に成長することを信じ、
証券市場の中長期的上昇に対する基礎を備えた。


印象深い第3Qの利益成績
2009年にはベトナムミルク株式会社が
突出した利益成績を記録した。
第1四半期と第2四半期に
VNMの税引き前の利益が
それぞれ5,840億VND、5,680億VNDに達した。
年初6カ月の利益も
2008年の第3、第4四半期と比べ
それぞれ3,720億VND、2,380億VND増加した。

一方でベトナムミルク会社に対する
投資家の評価として
「年初の利益はビール会社の株式の
外国投資家への譲渡案件と関係するか」
という疑問もある。

2009年8月、VNMは
非公式な株主総会を主催し、
資本金を2倍に増資することを決定した。
また、ここで発表年初7カ月の利益は
1.430兆VNDである。
そのうち、2,680億VND以上の利益が
1カ月間で得られたもので、
2008年第4四半期の利益より高い。

結果は引き続き記録的なものとなり、
2009年第3四半期末には
ベトナム最大手のミルク会社が
税引き前利益2.015兆VNDに達し、
これは今年の計画の120.7%に相当する。
また、8月と9月の利益が
月間3,000億VNDを超えた。
このスピードが維持される場合は、
この会社の今年の利益が
3兆VNDの達する可能性が高い。

VNMだけではなく、
資本金の100%に相当する利益に
達する可能の有価株式は
ABT、DHG、DRC、BMP、NTP、CSM、LCG、
NTL、VIS、HAG、GMD、VSC、PAC等である。

現在、上場市場で
最高株価を有する銘柄はSJS
(Song Da住宅団地・工業団地投資開発株式会社)で、
2009年10月13日の時点で
1株208,000VNDになった。
同社は、2009年第3四半期末までに
4,000億VNDの利益を記録した。
また、この数字には、
今後換金性となる財政投資品目および
Nam An Khanh土地の譲渡に伴う
回収資金は含まれていない。

ほかの分野も、急速な利益成長成績を記録した。
この9カ月だけで、VCB、CII、SDT、BVH、
DIG、HOM、HAP、HRC、VIP、AAM等の
多くの会社が今年の利益目標に達した。

第3四半期と第4四半期にも
建設分野、水力発電分野で
利益増加の事例が出てくる。
梅雨に入り、水力発電会社の
生産能力が急速に増加するからである。

銀行セクターでは、Vietcombankが
今までで最高の利益に達すると期待される。
Vietcombankの年後半6カ月の利益が
今年前半と同様に3兆VNDに達すると予測される。

楽観的状況だが慎重になるべき
Dragon Capitalは、先週末の
上場会社40社との懇親会において、
年末にVN-Indexが
550~600ポイントの範囲で変動すると
楽観的な予測を示した。
Dragon Capitalは
上場企業の税引き前利益の成長率が
2009年は68.9%、2010年は15.6%と予測した。
この増加は2008年の-16.4%よりかなり高いが、
2007年の92.9%よりは低いものである。

ただ、EPS(1株当たりの利益)の成長率が
市場全体で58.4%を達すると予測され、
これは2007年の53%より高く、
当然、2008年の-39.8%より高いものである。
今年の市場全体のPERは約16.5倍で、
2007年の16.1倍よりやや高いが、
来年には15.5倍に下がると予測される。

企業の利益増加とともに、
政府の金融政策が証券市場に直接影響を与え、
市場が順調に発展している。
国家銀行の統計によると、
年初9カ月の資金貸出成長率は
2008年末より28%増加し、
資金調達が22.5%を増加、
資金供給(M2)が22%増加した。
特に、金利支援制度で貸し出された資金は
409兆VNDにしか達せず、
まだ200兆VNDが余剰状態である。

これは、言い方を換えれば、
金利支援制度実施のパッケージ
10億USDのうち
約3億USDがまだ利用されていない
ということである。
もっと広く見ると、
需要拡大パッケージの80%が
3月から5月まで実施されたので、
年末の11月、12月が
大量な資金返済時期になる。
これらの資金が返済された後、
需要拡大用の残り3億USDの
貸出先が出てくる可能性がある。
それにより、資金貸出成長率が
31%~32%を達する可能性があり、
国家銀行の示す上限と近い数字となる。

問題は有利な信用政策が
2009年後、いつまで続けられるのか、
という懸念である。
ここで慎重に配慮するべき問題が
インフレである。
年初9カ月のインフレは4.1%に達し、
過去10年間のインフレの
平均上昇率の5.4%より低い。

他方、国際市場では資材、エネルギー等の
商品価格がまだ低く維持されている。
そのほか、2010年には統計総局が
CPI計算に対して新しい仕組みを導入する予定である。
これにより食糧、食品の値数が下がるが、
技術的なCPIに影響を与えない。

ただ、インフレについては、
2008年に急速に上昇したため、
そのような状況が繰り返されないため、
早期に準備しておくべきであろう。



サイゴンエコノミックスタイムズ 2009年10月21日

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