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2010年02月26日

2010年:大幅な輸入超過とインフレ上昇に直面


ベトナム貿易収支は、今後大きな貿易黒字により、
外国借款を全て返済できることで、長期的に維持することができる。


2008年、ベトナムは貿易赤字と高いインフレ上昇に
同時に直面する事態となった。
この問題は、多国貿易支援計画第3期(MUTRAPIII)の専門家によると、
2010年にも発生する恐れがあるという。

MUTRAP III専門家は、
短期借款が優遇金利制度で借入れできない場合、
また、準備資金が輸入超過を補填できない場合は、
ベトナム貿易収支が短期的な危機に陥る恐れがあると、予測している。

ベトナムの貿易収支については、輸出能力にいくつかの問題を抱えている。
それらは、
(1)アジア地域の調達システムに本格参入していない
(2)付加価値が低い
(3)障害が多い、輸出商品の偏りが大きい
(4)輸出規模が大きい
(5)国際的需要が低い、など。
また、ベトナムの輸入に大きな影響を及ぼす要素も多い。
例えば、輸出品加工用資材の輸入需要が大きいこと、
世界的に物価が不安定であること、
投機活動、低い税率やWTO加盟・他国間との協定に関する効果等がある。

WTOの貿易収支に関する条項によれば、
各国とも特定の条件を満たせば、輸入を制限する権利がある。

ここで出てくる問題は、
対外財政と貿易収支を確保するための輸入制限策が、
ベトナムで簡単に適用できるかどうか、ということである。
この問題について、Peter Naray- MUTRAP専門家は、
ベトナムの問題はまだ深刻な状況にはなっていない、
現在はまだコントロール可能である、としている。

上記の分析には、以下の理由があるという。
(1)ベトナムの短期借款が期限通り返済されている。
現在の準備資金は各前年より高い。
また、短期借款の返済要請もそれほど多くないため、
中短期の外貨準備資金に対する需要はまだ大きくはない。
(2)2009年には輸入額をカバーできる外貨準備資金が用意できており、
貿易赤字も回復動向にある。
また、2010年には国際経済が改善されると共に、
外国投資資金の導入が以前同様に増加すると予測される。
(3)ベトナムは経済成長に対する信用を維持し、
資金流出を抑えることができる。

その他、現在、経常勘定の赤字克服を目的として実施されている
貿易制限策(輸入制限、税率引上げ)は、
経済発展に悪影響を与えるため、最終手段と考えられている。
理由は、(1)輸出品が数カ国の需要に対応できるため、
輸入制限により、ベトナムの輸出競争力を潰されることになること。
(2)この様な政策を適用すると、外国直接投資が撤退し、
状況を停滞させる可能性が高いこと。
(3)この様な対策は経済発展にへの信用を失くすことになり、
外国投資資金が撤退、VND切下げの圧力につながりやすいこと。



CafeF.net 2010年2月26日

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