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2010年06月17日

低賃金・低能率で発展は不利


東南アジア地域の能率比較グラフは
Christian H.M. Ketels-Harvard
戦略競争力研究学院の博士により
2010年東アジア国際経済フォーラムで発表された。


それによって、1975年から現在までの25年間で
ベトナムと中国は同様の能率を有し、
地域内で最低の結果となった。

ただ、2000年から中国の能率が急速に増加し、
インドネシアを超えたが、
ベトナムは格付けの中で下位に属する。

Ketels博士を始め
Harvard大学の研究チームは
2010年のベトナムの競争力を研究して報告した。
結論として、能率が低い原因は
経済的に安い賃金で、
技能が低い労働人材で発展したことである。
そのため、労働人材の養成に対する
新しい対策がないと
現在の状況以上の発展は望めない。

統計総局の資料及びアジア競争研究学院の
研究結果に基づいて計算すると、
2000年から2008年まで、
一人当たりのベトナム労働者の能率は
年間1092VND、年間363万VNDしか増加していない(1994年の固定レートで計算)。

また、ベトナムの能率は
主に農業から能率がより高い加工業への移行によって
成長してきた。
この傾向はベトナム経済が
世界経済を導入することによって発生し、
今後数年間まで続く。

長い間、ベトナムの能率は変動が遅いが、
まだ成長している。
しかし、ピンポイントで見ると、
特に、製造業分野では恐るべき問題が
沢山ある。

典型的な例としては、
外国投資関係の企業セクターが
ベトナムの産業及び輸出の中で大きな割合を占めている。
統計によると2000年から現在まで、
FDI企業の能率は増加せず、逆に急速に減少している。
2008年末まで
このセクターで働いている労働者の能率は
2000年より半分に減った。

Christian H.M. Ketels氏によると、
外国との貿易と投資に対して
猛スピードでオープンしたことによって、
ベトナムは大きなFDI資金を調達できた。
ただ、ベトナムに導入した外国企業が
主に安い賃金で能率が低い労働人材を利用して
ベトナム国内及び外国の市場に
供給する商品を加工した。

FDI企業の急速な発展は
失業状況の改善に大きく貢献し、
輸出額を増加させたが、
国の発展にはあまり役立たない。
理由は労働者の賃金が安く、
バンコク及びフィリピンの労働者の給与の30%、
中国・深センの給与の42%相当だからである。

また、労働能率及び技能能力を
高めることについて、
FDIセクターの影響力もあまり見えない。

Ketels 博士は
「ベトナムが能率を上げられない場合は
 人民の生活基準及び国の繁盛を
 上げることはできない。」
と強調した。

Economist Intelligence Unit (EIU)の評価によると、
ベトナムは東アジア地域で
貿易と投資に対するオープニングが高い。
これはFDI調達に対して重要な要素である。
しかし、アジア競争研究学院及び
中央経済管理学院は
能率と付加価値がまだ低い背景で
オープンすぎることが
マクロ経済のバランスに影響を与えている。

ベトナムへの大規模な投資資金を
導入することによって国内需要が増加する。
付加価値が低い商品を輸出するが、
国内需要に対応するため、
付加価値が高い商品を輸入してVNDが高くなる。
これはインフレの上昇及び
貿易の超過輸入が発生する原因である。

また、投資効果が低くなると
経済成長がさらに外国投資資金に付属する。

Ketels 博士は
「需要の増加は経済のミクロ能力を超え、
 特に労働技能と技術のインフラ整備である。
 FDIの申請額と実施額の差が徐々に大きくなる。」
と述べた。

同報告書は
「経済が低賃金・低能率で発展することは
 長期的な良い方針ではない。
 ベトナムはマクロ経済を安定させて
 ミクロ能力を高めるための
 全体経済発展戦略を必要するタイミングになった。」
と結論付けた。


サイゴンエコノミックスタイムズ 2010年6月16日

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