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2010年07月13日

脱低賃金でベトナム経済は成長するか


ベトナムは賃金が安い国として知られている。
しかし、賃金は徐々に高くなり、この強みがなくなってきている。
これはベトナムにとって深刻な問題となるだろうか。


賃金が高くなることは、経済発展するための一つの目標である。
賃金が高いことで一人当たりの所得や労働能率も高くなる。

シンガポールでの一人当たりの所得が年間35,000USDに対し、
ベトナムでは1000USDしかないのはなぜか。
答えは労働能率である。

GDPや国の資産は労働人材により作られる。
また、労働者の給与の以外に、
GDPは生産資材、企業のオーナーに分けられ、
国家予算への納税も含まれる。

そのため、平均の労働能率や一人の労働者が作った付加価値が
給与より大きくないといけない。
高い給与を貰うためには、労働者が高い労働能率を
発揮する必要がある。

ベトナム人は、誰もがシンガポール人と同じだけの給与を
貰いたいと思っている。
安い賃金は国の貧困や時代遅れ、レベルが低いことを現す指標である。

企業が労働人材、特に一般労働人材を雇用できないことは、
ベトナムにとっては喜ばしいことだ。
労働年齢になった人は仕事を探す必要があるが、
採用のチャンスを断ることで、他のより良いチャンスを
得ていると考えられる。

誰でも仕事を選ぶ時には利益と経費を分析する。
そして当然、純利益(利益-経費)が大きい仕事を選ぶ。

人によっては利益と経費の評価が違うが、
ある人にとっては最良な純利益を与える仕事は、
社会に対しても最良な利益を与える。

労働者を採用するためには、企業が労働者に対し、
今の仕事より純利益が高い仕事を与えなくてはいけない。

当然、企業は労働者が作る付加価値より
高い給与を払うことができない。
企業は存続のためにも、作業能率を高めるよう技術を改善し、
付加価値の高い生産活動を行う。
そうすれば、企業能力が活用され、社会全体がよくなる。

ただ、給与が労働者の日常生活をカバーできない場合は、
別問題だ。特に、国内の物価が急上昇し、
為替レートも安定しているためにVNDが上昇し、
輸出活動や国内消費製品の生産活動が
不利な状況になっている。
この場合、マクロ政策の運営に対する国の責任となる。

つまり、労働者を採用しないことは
ベトナム経済にとっては積極的なことで、
むしろ労働能率を上げる方法を考えるべきである。



サイゴンエコノミックスタイムズ 2010年7月12日

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