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2010年10月06日

在外送金 サービス強化に重点


本国への在外ベトナム人の送金額が、
政府管理機関の発表の数字を超えている模様。
各金融機関の統計も、まだ出揃っていない。


ベトナムでの在外送金サービスの潜在力は、非常に大きい。
それは、商業銀行にとっても大きなチャンスである。
在外送金サービスの質を高めることで、
商業銀行は、サービス料を引き上げることもできるようになり、
安い外貨資金源を得ることもできるようになる。

在外送金は、貿易収支の赤字を補填するのに大きく貢献しており、
国の貴重な外貨供給源である。
この資金源は換金されないため、
外国の借金より安定しており、
ベトナムの資金調達リスクを減少させることにもなり、
外国資金源への依存が大きくなることも防げる。
在外送金は、民間から民間への援助であり、
有効に活用されている、と言える。

在外送金 推進政策

2002年から2009年までで、在外ベトナム人からの送金は、
それぞれ21億USD、2.7億USD、32億USD、
38億USD、47億USD、60億USD、72億USD、70億USD
と、ほぼ右肩上がりで増加している。

2010年は、世界経済の回復に伴い、
在外送金が再度増加傾向にある。
Vietinbankだけで、年初8ヶ月で送金は6.8億USD、
前年同期比約20%増となっている。

ホーチミン市とハノイ市への送金は特に多い。
2009年だけで、ホーチミン市の商業銀行を通じ送金された額は、
約40億USDに達している。

非公式なルートで送金された場合、
資金の統計が取れないため、
実際の送金額は更に大きいものと思われる。

公式ルートでの送金額を高め、
非公式ルートでの送金を減少させるため、
政府は税金規定を排除、受取り金額も制限しないこととした。
受取り人は、外国からの送金に関して、所得税を支払う必要はない、
外貨を銀行に売ることも強制しない。
それにより、送金者と受取り者の権利が確保されるとともに、
送金方式が広がるため、
外国からの送金を勧めることに繋がると考えられる。

在外送金 サービス競争

経済機関にとって、在外送金サービスは非常に重要なものであり、
低経費で外国通貨を調達できる非常に魅力的なルートである。
現在ベトナムでは、銀行の他、数十の送金会社がある。
それら機関が、外国からの送金サービスを提供している。
このサービスは収益率も良く、
銀行にとっては外貨購入ルートでもあり、
預金高を引き上げ、受取り者には、
他のサービス商品を提供することができるようになる。

現在、VCB、Vietinbank、BIDV、 Agribank、
ACB、Sacombank、Dong Aバンク等の主要銀行は、
幅広いネットワークを駆使し、
優れた在外送金サービスを提供することが、できている。

低経費で早く安全に送金し、また、受取ることができるため、
各行とも外国からベトナムへの直接送金ルートを開設し、
特にベトナム派遣労働者が多い国からの
送金サービスの充実に力を入れている。

今まで、ベトナム銀行は
Western Union、Moneygram、
Wells Fargo ExpressSend(アメリカからベトナムへ)、
オンライン送金、Mobile Phone携帯電話などと提携し、
様々な送金サービスを展開している。

現在、ベトナム銀行は、デジタル送金技術の整備をほぼ完了しており、
自動的に送金取引を整理することができるようになっている。
システム利用者は、全国どこでも簡単に資金を受け取ることができる。

送金サービスの収益を上げるため、
各銀行とも、労働派遣会社と提携し、
労働者向けのパッケージ商品を提供している。
例えば、資金貸付、口座開設、デポジット確保、
給与の本国送金、預金等のサービスである。

世界の90カ国に暮らす400万人近くの在外ベトナム人、
及び数十万人の派遣労働者からの送金額を併せると、
ベトナムは世界でも有数の在外送金の多い国となっている。
送金額は毎年平均10%増となっている。
送金元は主に、アメリカ、カナダ、オーストリア、
ドイツ、フランス、日本、シンガポール、
香港、韓国、ロシアからとなっている。



InfoTV.net 2010年10月4日

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