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2011年01月21日

小売市場、格付け下落の裏事情


ベトナム小売市場の格付けは
AT Kearneyの評価で2008年から
2009年まで1位から6位に後退し、
2010年はさらに14位まで下がった。


ベトナムにおける商品・サービスの
小売市場がまだ良好な状況だった
背景を踏まえ、AT Kearneyグループの
評価をどう考えるべきだろうか?

小売市場が「レベルダウン」している
話題は、ここ数年で世論に注目され、
ベトナム小売市場は状況が悪化して
いることが感じられる。

なぜ格付けが下がったか?

アメリカの高名な経営管理会社である
AT Kearneyは、世界中の小売市場の
開発状況に関する報告書を毎年発表し、
その中で世界185カ国中、一番魅力的な
30の小売市場を選んで格付ける。

評価の方法について、AT Kearneyは
(i)国と営業のリスク;(ii) 市場の魅力;
(iii) 市場の飽和度;(iv)時間の圧力の
4つの内容で評価する。因みに各内容は
25%ずつの点数で採点される。

この計算方式では2008年にベトナムが
88ポイントを獲得して1位になったが、
2010年には55ポイントしか得られず
14位に下がった。この結果がベトナムの
小売市場に対する強い不安を生み出し、
市場全体の状況を非常に悪化させて、
投資のタイミングを損なうイメージが
ついてしまったのだろうか?

その答えは「そうではない」

格付けの下落は「外国の投資家に対する
魅力が減る」と示すことであり、市場の
発展潜在力や魅力とは何ら関係ない。

小売市場の魅力というのは規模と成長の
スピードである。これらの観点で考えると
ベトナム小売市場は、まだ非常に大きな
魅力を持っている。

商工省の統計を見ると、ベトナムでは
小売分野の売上が778億USDに達している。
2009年には商品・サービスの小売総額が
18.6%の増加にとどまったが、2010年に
経済が衰退した影響で小売分野の売上は
24.5%の増加となっている。

AT Kearneyの専門家はベトナムの格付けを
驚異の目で捉え、報告書の中でベトナムは
格付けが下がったが、潜在的な発展能力は
まだ大きいと強調した。

報告書には「ベトナム市場は引き続き好調に
成長し、消費が収入の70%を超えることが
予測される。2010年には小売分野の売上が
778億USDに達し、2012年には880億USDに
増加すると考えられる。GDPの高成長率と
若年層の人口がベトナム市場の強みである」
と掲載された。

報告書ではaigon Coopmartが2015年までに
100の店舗を追加オープンする計画を発表し、
その通りに実行している。それはベトナムの
小売業者が強くなってきている証拠でもある。

凌ぎを削る小売業者、ベトナムvs外国

AT Kearneyの報告は世界上位にランクする
小売業者の活動に対しての調査結果に基づいて
作成されたものである。ベトナムは誰でも
WTOに加盟できるという約束を実現するために
小売市場をオープンしたが、外国の小売会社は
ベトナム市場への参入が簡単にできないことが
判明している。

一番大きな障害は「経済需要審査(ENT)」に
関する規定であり、これは新規で小売店を
開設するための前提条件である。

つい最近「ベトナム小売フォルム」において、
Deloitte Consulting会社のJohn Yeomans社長は
外国の小売分野の統一性が高いため、1箇所で
店舗を開設すると、簡単に同様のシステムを他の
場所で展開できるが、ベトナムでは新しい店舗を
オープンすることが非常に難しいと述べている。
最近の政府対話フォーラムでは外国投資家が
ENTの規定を調整することを強調している。

ただ、最新の小売企画規定(案)の内容を見ると
経済需要審査に関する規定がまだ厳しいままと
なっている。そのため、この規定の発行後にも
外国投資家がベトナムで販売店を開設するのは
難しい状況である。

外国投資家の観点からはENTが技術的障害と
なってしまうため不満が大きい。AT Kearneyは
調査表に良い部分を掲載しないことも作用して
ベトナムは格付けが下落した。


Vneconomy.net 2011年1月21日

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