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2011年02月14日

ベトナム国家銀行の為替レート調整 外国機関の評価は


外国機関は、2月11日のベトナム国家銀行の
USD/VNDの参照為替レートの調整に対しては、
然程驚きを見せなかったが、
今回の調整幅に驚愕した。
外国機関はインフレ上昇の問題について警告、
ベトナム政府に対して厳しい金融政策の実施を勧めている。


2月11日の朝、国家銀行は新しい為替レート運営体制を発表。
これにより、国家銀行は銀行ネットワーク内の平均為替レートを、
1ドル20,693VNDに引き上げ(前回の1ドル19,932VNDから9.3%アップ)、
取引の変動幅を+/-3%から+/-1%に減らした。
この新体制は2月11日より適用されている。

多くの外国専門家によると、この国家銀行の動きには積極的な意義がある。
Standard Chartered銀行の専門家は、
USD/VNDの参照為替レートを引き上げることが
ベトナムの外貨準備に対する圧力を減らし、
輸出分野を積極的に支えつつ、貿易収支に対する圧力を減らす、
としている。

国際金融機構(IMF)は、このベトナム国家銀行の動きに対し、
支援する意を現した。これは銀行ネットワーク内の為替レートと
自由市場の為替レートの差を減らすための
一つの方法として考えられる。

ただ、外国経済専門家はインフレ上昇の可能性
及びベトナムの借金の返済に対する信用を
下げることになると警告した。

Financial Timesは2月11日付Standard Chartered Bankの記事を掲載。
「今回の為替レートの調整により、今後、インフレが上昇し、
輸入額が増加する」と分析した。

Wall Street Journal、Bloomberg、Reuters等、他の大手報道機関は、
外国投資資金の導入及び経済の急速回復で、
現地通貨が上昇している他のアジア諸国と違い、
ベトナムではVNDが連続的にUSDより下がっている、
としている。

Reutersは、今回は2009年11月より
ベトナム国家銀行の4回目の為替レートの調整であると強調した。
Wall Street Journalは、この4回の調整によって
VNDがUSDより13.6%安くなった、とした。

2月11日の為替レートの調整は、
ベトナムの貿易収支の赤字が引き続き高く、
1月に10億USDに達する中、行われた。
1月のインフレも12.17%上昇。
ベトナムの外貨準備資金は去年の9月末までに
141億USDを達した。

多くの外国専門家及び大手情報機関は、
今回の為替レートの調整に対してあまり驚かなかったが、
9.3%の調整幅に驚きを見せた。

Dariusz Kowalczyk - Credit Agricole CIB Hong Kong高級経済専門家は
Bloombergのインタビューに対し、
「ベトナムは、インフレ上昇の抑制ではなく
輸出分野及び経済成長を支えるために力を入れているようである。
インフレがベトナムの大きな問題であるため、
今回の国家銀行の動きは驚くべきものだ」と発表した。

Prakriti Sofat- Barclays経済専門家は、
Wall Street Journalのインタビューに対して
「今回の調整幅は予測より大きい」と述べた。

専門家によると、VNDは引き続き格下げの圧力を受けている。
Standard Charterdによると、この圧力は国際収支のリスク、
インフレ上昇のリスク、ベトナム政府の経済成長の目標の実現から来る。

Nizam Idris -USB Singapore戦略専門家は
「ここでの問題は信用の問題である。
VND引き下げに対する圧力はまだ存在している」と述べた。

外国経済専門家業界は、ベトナムに対して、
今回の為替レートの調整で発生する問題の解決方法を提案している。
中でも、インフレ上昇の問題が最も注目されている。

Standard Chartered は「国家銀行は
現在の金利制度に満足しているようだが、
我々が急速な経済発展によるリスクを防止するために
より高い金利制度を適用する必要がある」と考える。

Benedict Bingham-在ベトナムIMF代表者は
「ベトナムはマクロ経済の安定性を回復するために
パッケージ型の政策を実施する必要がある。
金融政策はインフレ抑制に集中し、年度財政政策が
公的借金の管理に集中すべき」と述べた。

外国機関が議論したもう一つの問題は、
ベトナム公的借金に対する信用に与える、今回のベトナムの
為替レートの調整の影響である。
比VNDのUSD上昇によって、ベトナムの国家借金(VND)が
増える可能性がある。

去年の12月、Moody’s Investors Serviceは、
貿易収支のリスク、VND引き下げの圧力、
インフレ上昇、マクロ経済不安定のリスク等の理由で
ベトナムの国家借金に対する信用レベルを
B1からBa3に引き下げた。

Wall Street Journalで Andrew Colquhoun
-Fitch Ratings専門家の評価を掲載。
今回のベトナムの為替レートの調整は
貿易収支の圧力を減少させるためで、
貿易赤字が大きく、外貨準備資金が小さいため行われた、
としている。

2010年7月、Fitchはベトナムの信用格付けをB+に下げた。
Colquhoun 氏は「今回の為替レートの調整では
ベトナムから外国投資の換金傾向を止めることができない。
ベトナムの外貨準備資金は引き続き減る傾向になり、
我々はベトナムの信用格付けについて検討する予定である」
と述べた。



Vneconomy.net  2011年2月14日

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