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2011年03月09日

対中輸入超過 改善の見通しは


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2010年、初めて中国が対越貿易の最大パートナー国となった。

近年、対中貿易での超過輸入額が、
ベトナム全体の90%以上を占めていたため、
貿易収支のバランスが取れない状況になっていた。
さらに金融市場、マクロ的不安定などが、
この状況にさらに拍車をかけたといえる。

中国からの大量輸入 深刻な影響

2010年、初めて中国がベトナムにとって、
最大の貿易パートナー国となった。
大規模貿易を行う5カ国中1位となり、
次点がアセアン、アメリカ、EU、日本と続いた。

2010年、ベトナムの輸出入総額1,570億USDのうち、
中国からの輸入額は273.3億USDで、全体の17.4%を占めた。
この比率は2007年の14.26%より3.1%増加している。

さらに、上記5か国中、
双方貿易額を増加で維持できたのは中国のみで、
他国は、2008、09年の国際経済危機の影響を受け、
貿易総額が減少した。

中国企業の、ニーズへの対応速度や価格設定が、
ベトナム消費者の心を捉えているようだ。
しかし、こうした動きは、
他の国との貿易状況に大きな影響を及ぼしている。

2010年末の時点で、中国はベトナムの最大輸入元となったが、
輸出先としては、アメリカ、EU、アセアン、
そして日本に次いで5番目となっている。
アメリカやEUへの超過輸出額が150億USDとなったのに対し、
中国からは、130億USD近くの超過輸入となった。

一方、ベトナムの主な輸出先は、
近年、経済の安定性が高くない地域となっている。
また、中国から大量輸入することにより、
最新技術の自国開発も、遅れる傾向となっている。
Nguyen Van Trung-計画投資省次官は
「中国から輸入できる技術は、殆ど時代遅れであることは、
 皆が周知のことだ。」と述べた。

去年末に発表された世界銀行の報告でも、
ベトナムと中国の貿易関係について注意を促している。

改善の道筋見えず

Trung次官は、
「対中貿易の改善策については、毎月のように議題に上っている。
 商工省も、中国からの超過輸入軽減のための
 対策立案に頭を痛めている。」と述べた。

2010年ベトナム全体の輸入総額は、850億USD近くで、
うち、中国からの輸入額は200億USD以上を占めた。
特に、機材、設備、部品の輸入額が全体の22.4%を、
各種の布が11.1%、電気製品とその部品が8.4%、
各種の鉄や金属類が7.6%を占め、残りは生産用資材であった。
水産物、ミルク、お菓子、オイル等の比率は低かった。

上記数字を見ると、中国からの輸入品は、
どれも大規模工場での加工製品である。

中国からの輸入資材を見ると、
ベトナムが中国と競争できる分野といえば、
付加価値の低い生産分野となってくる。
例えば繊維、縫製、靴、木材、紙、鉄、農業生産用品などだ。

先進技術を投入した付加価値の高い製品で、
競争力強化を図りたいところではあるものの、
それを具体化させる解決法は、まだ示されていない。



Vneconomy.net 2011年3月9日

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