« スターバックス ベトナム進出 | メイン | 11年上半期 ホーチミン市経済状況 »

2011年07月13日

収益見込みなき空港整備計画が乱立


昨今多くの地方自治体が、ブランドアップと利便性の向上を求めて
空港の建設を計画している。


ベトナム航路はこれまでに、
ハノイ、ホーチミン両市を中心に南北路線を整備、
国内及び国際路線を有する空港の整備に努めてきた。
最近では、ハノイ、ホーチミン両市と、
各地方を結ぶ路線を新規就航させている。
現在、ベトナムには22の空港がある。
しかし、空港の整備と開発には、慎重な検討を必要としている。

An Giang省空港案件より

先日、Vuong Binh Thanh-An Giang省人民委員会は
観光開発と、万博開催を視野に入れ、
同省にも空港整備の必要があると考え、
投資を誘致している。
An Giang省はメコンデルタ地域最大の観光都市である。
またその一方で、工業団地、住宅団地等の投資計画も多く有しており、
空港整備は大きな利益になると考えられている。

ただ世論の大半は、空港整備の必要なし、
または経済効果なし、との意見で占められている。
ある専門家は、「空港があっても就航が一日一便では、赤字である。
物資輸送の面でも、空輸するのは、高価な製品が主であり、
同省の強みであるTra魚の養殖と米栽培では、空輸には適さない。
乗客輸送についても、現在、
An Giang省の観光は目を見張るほどの市場ではない。
また、外国投資案件も、空港を整備するほどの件数はない。
1日の乗客者数が5、60人程度であれば、
ATR72機1便で全員を運べることになる。」と述べた。

空港の投資資金は3.417兆VNDと試算されている。
上記のような状況では、出資する会社など現れないだろう。

乱立する空港整備計画

多くの地方が空港整備計画を立案しているこの状況は、
「空港整備シンドローム」と呼ばれている。
実利を追求した結果ではなく、
主に役人出張の利便性向上や、地方のブランドアップのために、
計画されているのがほとんどなのだ。

また、空港さえあれば、地方経済が活性化する、
と言う安易な考え方がある。
ある地方では国内空港を国際空港に整備しようとしているが、
就航予定の国際便が1つもない状態である。
こうした安直な空港整備計画は、すでに具体化しているものだけでも、
下記のようなものがある。

■Thanh Hoa省空港
建設地:中心部から30km南、Tinh Gia郡Hai Ninh村が予定地。
投資総額:2.600兆VND。
第1段階では、Gia Lam空港、Cat Bi空港、Da Nang空港、
Tan Son Nhat空港の各空港間で航路を開設予定。
乗客者数は年間25万人、
輸送貨物、年間1万tを想定している。

■Long An空港
建設地:Chau Thanh郡Can Dang村、235.04ヘクタールが予定地。
計画は、交通省に認可されたばかりで、
国内空港としては4Cレベル。

■Van Don空港
建設地:Doan Ket村の400ヘクタールが予定地。
2010年、韓国のJoinus有限会社が建設を計画した。
Quang Ninh省人民委員会はBOT方式で、
この空港整備計画を政府に申請している。


サイゴンエコノミックスタイムズ  2011年7月13日

« スターバックス ベトナム進出 | メイン | 11年上半期 ホーチミン市経済状況 »

    ・本資料に記載された情報の正確性・安全性を保証するものではなく、
     万が一、本資料に記載された情報に基づいて
     皆さまに何らかの不利益をもたらすようなことがあっても 、一切の責任を負いません。
    ・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、
     投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。
    ・本資料の全部または一部を無断で複写・複製することを禁じます。

運営会社編集方針お問い合わせプライバシーポリシー