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2012年08月06日

増える不法滞在労働者 原因とその未来


現在、多くのベトナム人が、
「海外に行けば稼げる」と言う考えを持って、海を渡っている。
それとは逆に、最近はベトナムに不法滞在している
外国人労働者の増加が問題視されるようになってきている。


ベトナムに不法滞在者が多い理由

近年、ベトナムに入国する外国人が急増している。
具体的には、
2008年に52,633人、
2009年に55,428人、
2010年に56,929人と順調に増加してきた。
2011年9月、在越外国人の数は78,440人に達した。
ただ、その中で合法滞在者の数はわずか5,581人、
実に31,330人(全体の39.9%)が不法滞在者という状況だ。

今年5月までに、すでに31,000人の外国労働者が
不法滞在していることが確認されている。

不法滞在者の出身地も世界の60カ国と多岐に渡っている。
その中で、アジア出身(中国、韓国、マレーシア等)が58%、
ヨーロッパ出身が28,5%、
残りが他地域出身、といった内訳になっている。

原因は簡単だ。
企業の生産能力を高めるため、
特にハイテク分野に従事する労働者を、企業が必要としているからだ。
ベトナムの一般労働者では、
企業の需要には対応できないため、上記のような状況が起こってしまう。

企業も優先給与制度を設けており、
仕事の圧力もさほど高くないベトナムは、
外国人労働者にとって居心地の良い国となっている。
特に、EUの公的債務危機、
アメリカに端を発した世界的経済危機を背景に、
どの国でも、失業の問題が厳しさを増している中ではなおさらだ。

ベトナム側としては、質の高い労働人材を確保できる一報で、
社会保障や安全確保、文化流入、
国内労働者の就職等々、さまざまな問題に直面する事態となっている。

こうした状況を見た多くの専門家は、
政府の外国人労働者への対応の仕方や、
法律の緩さに警鐘をならしている。

錯綜する管理体制

現在規定上、外国労働者の管理に関しては、
政府機関の役割は細かく割り振られている。
ただ、関係機関の間の連絡や、協力体制は確立されていない。
法律の穴は多く、特に労働者雇用の段階ではそれが顕著だ。

具体的には、
商工省は、企業内を移転する外国労働者の居場所やその過程について
具体的な規定を設けていない。
また、外国人労働者を雇用する必要性が高い分野のリストアップもされていない。
さらに採用する際の、事前の政府関係機関の
認可申請に関する規定さえない状況だ。
そのため、多くの企業がこの穴を利用して外国人労働者を採用している。

加えて、不法滞在者を処分する法律もまだまだ未整備だ。
処罰措置もはっきり規定されていない。
規定No.47/2010の第14条2項によれば、
社会労働傷病兵局に報告せず、
外国労働者を利用している企業があった場合、
2,000万~3,000万VNDを罰金が課されることになっている。
この金額も、外国人労働者から得られる利益と比べれば、
かなり小さいため、
多くの企業が、罰金を支払ってでも、外国人労働者を利用しているのだ。

専門家は言う。
ベトナムで外国人労働者の問題を管理するためには、
労働者側と雇用側の双方に対する管理を厳しくするべきであると。
当然、最も効果的な手段は法律の制定である。

長期的な視野で見れば、
外国人労働者に代わる、質の高い国内の労働人材を養成する必要がある。
ただ、将来を見越した行動を政府が採れているか、
状況はやはり不透明なままだ。



Vef.vn  2012年8月6日

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