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2011年02月18日

根拠はどこから? ~GDP40%~


いつものように新年の会議では全ての国営企業が一連に前年の優秀な
営業成績を発表するとともに今年の困難な状況を挙げ、政府からの
支援を要求すること等…


国営会社と政府の関係はまるで親子のように親が子供に甘やかしている。

報道機関の発表によると、2010年の国営企業の株主総額は2009年より
540.710兆VNDに増加して約11.75%に到達する。2010年の売上総額は
1,173.489兆VNDを達成し、計画を22%オーバーして対2009年比で
36%を超えると予測される。21中20の会社が黒字で税引き前の利益は
70.778兆VND、国家予算への納入総額が173.549兆VNDに達しており、
2009年より31%の増加となった。

この数字が本当に正しいものならば、非常に素晴らしい成績と言える!

上記の数字をよく分析すると、税引き前の利益が売上総額の6.03%で
株主資本の13.1%に相当し、これがインフレの11.75%より若干高いため、
実際は1.35%の利益ということが分かる。

国家予算に計上した資金はあまり意味があるとは言えない。これは主に
原油等の国家資源の販売で得たお金で企業の営業成績が反映されていない。

21社のうちの1社しか赤字にならず、その会社がVinashinと考える人は
多いが実際はそうではない。赤字となったのはベトナム電力公社(EVN)だ。
Vinashinを入れると、赤字になった会社の数は少なくても2社になるため、
上記にある21分の20という統計が何を根拠に集計されたのかは不明である。

統計総局によると2010年のGDP実績は1,980.914兆VNDを達成し、上記の
国営企業売上総額がGDPの59.24%を占める。すると「国営企業がGDPの
40%に貢献した」と言う情報は一体どこから入手されたのだろうか?

この統計では2000年から2008年の比GDPの国営企業セクターの比率は順に
38.52%、38.40%、 38.38%、39.08%、39.10%、 38.40%、 37.39%、
35.93% と34.35%になっている。

さらに注目すべき点を挙げてみると、統計では比GDPの割合が国家管理、
国防安全保障(2008年の2.77%)、教育訓練(2008年の2.61%)、医療、
文化、スポーツ、共産党団体、青年団体(2008年の1.8%)等の分野まで
国家予算も含まれている。この部分を除くと比GDPの国営企業セクターの
確率は1998年から2003年までは30%以上となるが、2004年が31.29%、
2005年は31.33%、2006年から2008年までは29.46%となり、達成率は
27.17%にとどまる。

上記の統計から考えると2008年におけるベトナム国営企業の売上がGDPの
中で占める割合は約27%、今年は27%~28%で40%の成績を示す根拠は
どこにも存在しない。


InfoTV.net  2011年2月18日

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