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2012年08月23日

ベトナム企業の社債にレッドランプ点灯


ベトナム証券市場の上場647社における比株主資本の借金比率は
世界一の1.53倍である。


この数字は先進国と発展途上国を合せたものより高い。
アメリカは2011年で1.2倍、同じ時期の中国が1.06倍だった。

これは初めてのことではなく、長期的に続いている現象だが、
調整がされて来なかった。ベトナム企業は2007年から今に至るまで
銀行の借金を利用している。そのため、2000年から徐々に借金が
膨れ上がってきた。ホーチミン証券取引所に上場している114社の
返済借金/株主資本は2007年の時点で1.2倍だ。

1999年~2002年に実施されたベトナム統計総局の調査によると、
借金/株主資本は1999年に1.32倍、2000年が1.93倍、2002年では
1.96倍まで上昇している。

では、借金が最も多いのは、どの企業なのだろうか?
今年の第2四半期に発表された会計報告書では建設・不動産分野の
借金/株主資本が最高で、返済しなければならない借金が株主資本の
2倍にあたる約207%。財政分野で活動していない上場会社の比率が
153%で、エネルギーが144%となっている。比率が一番低かったのは
日用品の80%だった。

因みに、国営企業の比率は1.73倍で、上場企業の1.5倍を上回る。

また、借金返済を阻む要素もある。銀行等の金融機関は国債等の安全な
財政資産に投資する傾向があり、資金が銀行ネットワークで回っている。
資金を持つ企業は借金も減るが、財政力の弱い会社は借金したくても
返済額が大きすぎて借金できない。

Thien Viet証券株式会社のNguyen Nam Son取締役会役員は
「ベトナムの財政力が弱いことは危機的な状況と言える。
ベトナム企業の借金/株主資本は120%で、地域平均の45%とは
大きく違う。借金/株主資本の比率が60%に達した場合、その会社は
倒産の状況に追い込まれる」と述べた。

企業における失敗の典型的な原因は、主な活動分野以外に投資して
核心的な部分を考えずに活動することである。

年初7ヶ月の生産能力は2011年末より8.58%増加した。
顕著なのは現金と銀行預金だが、貸出資金の増加は0.57%にとどまった。
Thanh氏は「ベトナムは経済衰退の初期に入った。貸出資金/GDPの
比率が下がっているのが一番の証拠だ」としている。

アジア地域の各国に比べると、この数字は1995年~2010年で急成長し、
20%から140%に増加している。

また、ベトナム銀行の貸付は企業主体に実施されており、貸付総額は
2.021兆VNDで全体の77%以上にあたる。なお、そのうち国営企業が
415兆VNDを占めている。

また、農業分野で活動している企業の借金は231兆VND(全体の8.8%)、
家庭と個人が365兆VND(同13.9%)だった。

サイゴンエコノミックスタイムズ 2012年8月23日

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