ブルーチップ ベトナム投資ニュース

市場研究会社のEuromonitor Internationalによると、ベトナムは
東南アジア一のビール消費国である。ベトナム人のビール消費量は
日本のキリンホールディングスによって登録され、世界中で最も
ビールを消費する２５ヶ国の１つとなった。

潤うビール会社

2010年に2015年の時点で見込まれる酒・ビール・ソフトドリンクの
開発計画を立てた時、ベトナム商工省は2010年にビールの生産能力が
27億リットルに達すると予想した。しかし、この計画は2年後に実際の
ビール生産と消費状況を踏まえて30億リットルに修正された。これは
一人あたりのビール消費量が年間28リットルということに基づく。

商工省によると、2001年～2007年の間でビール産業は急速に発展し、
生産能力は年間で13.11％の成長率を記録した。2003年の時点では
12.9億リットルだったが、5年後の2008年には20億リットルを超えた。
また、一人当たりのビール消費量も2000年の10.04リットルから
2007年の21.65リットルに上昇した。2008年にはインフレの上昇率が
20％という記録的な数字に達したが、ベトナム人にはビールの消費を
控える傾向が見られなかった。ベトナム経済は2009年も衰退し続け、
現在に至っているが、ベトナム人はビールを「やめられない」ため、
ビール産業は発展し続けている。

2011年の消費量


年初6ヶ月の統計では、ハノイビール・酒・（Habecoソフトドリンク会社）と
ホーチミンビール・酒・Sabeco（ソフトドリンク会社）が生産能力、売上や
利益をアップさせた。年初6ヶ月でHabecoの生産能力は2兆5,548億VNDと
前年同期を10.3％上回った。ビールだけでも3,660万リットルで、71.9％増だ。
そのうち生ビールが1,730万リットルで27.5％の増加となっている。
Sabecoは年初6ヶ月で売上が9％アップし、ビール生産は5.84億リットルで
前年同期より6％の増加だった。

2015年に44億リットルを「飲む」ベトナム

工業分野で最も営業効果が高いのはビール・酒・ソフトドリンクだといわれる。
ベトナムでは2001年から2015年でこの分野の利益が4倍に増加し、成長率は
年間平均32.12％となる。因みに飲料分野ではビールが一番高い利益を生む。

ビールには特別消費税がかけられているため、全ての地方が予算のアップを
想定してビール工場の設置を大歓迎する。WTOに加盟した後、ベトナムでは
ビール産業の中でM&A、フランチャイズ等が積極的に行われた。ビール生産の
競争下で各地方には数十のビール工場が設置されたが、市場で戦えないため、
生産活動が中止され、数十億VNDの投資資金が無駄になった。

投資活動は市場の要求に対応するため、スピードがアップされている。
2015年までの計画で生産量と消費量は42億リットル～44億リットルに達し、
消費量は一人あたり45リットル～47リットルとなる。この数字は次の10年後、
年間で60リットル～70リットルになると予想されている。

2010年末に10億リットルの生産を達成したSabecoはビール生産活動の拡大を
牽引している。2012年6月と9月、同社はNinh Thuan省とVinh Long省で
ビール工場を起工させた。（各生産能力は年間5,000万リットルと1億リットル）

経済不況になると世界中で大手ビール会社の売上が大幅に減少するが、
ベトナムだけは増えている。つまり、ベトナムはビールの需要が非常に大きい。