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2012年09月06日

証券会社、外国勢が大挙設立か?


2012年9月15日より、ベトナムで外国の投資家による証券会社設立が
可能となる。 だが、現在の証券市場で100%外資系の証券会社設立は
できるのだろうか?


現在、ベトナムの市場で外国投資家の所有率が49%に達した証券会社は
105社中15社。これらの投資家は日本、マレーシア、シンガポール等の
アジアの国が主体だ。外国投資家の所有率は20%、15%に達する会社は
数社である。

他の証券会社で外国パートナーが所有するのは5%~10%で、これらは
ETF投資ファンドがメインである。27の上場会社中20社で外国投資家の
所有率が5%未満となっている。

支配権の掌握は株式買収が正攻法

2011年はアジアの外国企業がベトナムの証券会社株式を大量に購入した。
その目的は証券会社の支配権を握り、ベトナムで100%外資の証券会社が
設立可能となる2012年まで待つことだった。

また、ベトナム証券の価格はアジア地域で非常に安くなっているため、
証券会社を買収するチャンスだった。

日本のニッコーコーディアルがPSI(石油証券株式会社)株式の14.9%を
買収したのが典型であり、投資総額は1,337億VND(USD換算で690万相当、
日本円では5億6千4百万円)で、購入株価が1万5,000VNDだった。
この株式売買契約は2011年2月24日に締結された。

それ以前の例もある。韓国の投資証券会社がEPS(Gia Quyen証券株式会社)の
株式49%を買収し、ベトナムでの会社設立時に100%の買収を予定している。

Huong Viet証券株式会社はシンガポールのMorgan Stanleyに株式の48.33%を
売却した。また、Click&Phone証券は韓国のGolden Bridge証券投資有限会社に
株式49%を売却している。さらにSSI(Sai Gon証券株式会社)は日本の
Daiwa SecuritiesとANZ銀行に株式を売却した。ベトナムの証券株式会社は
マレーシアのRHBバンクに株式の49%を売却した。

2012年9月15日以降、証券法の修正・補足に関するガイドラインとして
No. 58/2012/NĐ-CPが有効となり、銀行、証券、保険の各分野で2年以上の
活動経験を持つ外国投資家がベトナムの証券会社の49%まで所有し、または
100%外資系の証券会社を設立できることが定められた。

同ガイドライン第71条9項によると、証券会社に出資する場合、外国投資家は
財務省の指導に基づいて実行する。

財務省は現在ガイドラインNo.58の詳細を作成している。その中ではベトナムの
証券市場において活動する証券会社に出資を希望する外国投資家に対する詳細が
規定されている。

財務省の案内発行後、ベトナムで外国証券会社の設立ブームは来るのだろうか?

市場のハードル

ある外国証券会社の専門家によると、アメリカやヨーロッパの投資家は会社を
設立したくても、既に活動している証券会社の支配権を握るために65%とか
75%の出資を渋っている。それは外国投資家とベトナムのパートナーにおける
営業方針、文化、戦略の違いが大きいからだ。外国の投資家はここから発生する
リスクや面倒な問題を回避したいのだ。

この2年間でヨーロッパとアメリカの大投資ファンドがベトナム証券会社の
株式を購入しない理由について、以下の3つが判明した。

①市場規模が小さ過ぎて流動性がアメリカやヨーロッパ、中国より低いため
時価総額が250億USD~300億USD程度しかない。

②たくさんの証券会社が一気に設立され、互いに激しい競争を繰り広げており
多くの会社が健全な競争を行わず、違法な手段を使っている。

③証券市場に関する法律が不足し、明確化されていない。市場管理がゆるく
情報が公開されていない。

この3年間で外国投資関係の証券会社で活動が好調な会社は非常に少ない。
HSC(ホーチミン証券)、KEVS(KimEng Vietnam証券)以外の会社は状況が
あまり芳しくない。

CafeF.vn 2012年9月6日

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