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2008年11月03日

外国投資家の数兆ドン債券のゆくえ


多くの投資家は、誰が外国投資家から大量の債券を購入したかと疑問を抱いている。
以下は、ベトナム債券市場の全体的背景である。

 ベトナム債券市場の商品は、主に国債である(発行数の95%以上)。
 企業債券の発行はまだ制限されている。


債券市場の参加者

様々な投資家を対象とする証券市場と違って、
債券市場の参加者は、大機関投資家しかいない。
例えば、ベトナム商業銀行、外国銀行ベトナム支店、資産管理会社、証券会社、
保険会社、債券投資ファンド等である。

現在、債券市場の参加者は、
主にベトナム商業銀行や国際金融機関を通じて投資する外国投資家である。

ベトナム金融投資家協会(VAFI)からの情報によると、
ベトナムの各証券会社、及び、投資ファンドは、
まだ積極的に債券市場に参加していない。
しかし、数社の証券会社が債券の売買部門で成功しており、専門性は高い。

外国側について
Citigroup, Deustche Bank, HSBC等の国際機関は、
債券の取引が強く、外国投資資金を調達する主な機関であり、
ベトナム債券市場の流動性を作る機関である。
ベトナムマクロ経済が安定すると共に、合理的な為替レートを有する場合は、
これらの機関は外国から大量の投資資金を調達可能だろう。

債券に投資する外国投資資金は、主に債券売買専門機関である。
外国投資銀行・商業銀行では、債券売買部門が別のセクションになっている。

Dragon Capital, VinaCapital, Vietnam Holding等の証券投資専門家は
ファンドの一部しか債券に投資しない。
債券市場に参加する目的は、
リスクを分散し、短期的に収益を作るため短期的に投資するためだからだ。

その他、海外の年金、各学校のファンド、宗教機関、チャリティー機関のファンドも
ベトナム債券市場に参加する。
これらの機関は自分の取引番号を登録するか、大手金融機関に投資委託する。
しかし、これらの機関で債券を売却したい時には、大手機関投資家を通さなくてはならない。


現在の債券市場の変動

2008年10月上旬から今まで、債券市場の取引量は急増し、
一日平均1兆ドンから3兆ドンである。
購入者は主にベトナム商業銀行であり、売却者は主に外国機関投資家である。

10月、HASTCにおいて、外国投資家が約11.1兆ドンの債券を購入し、
約25兆ドンの債券を売却した。
この動きは、外国投資資金が一列撤退させられることに関する恐れを生んだ。

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2008年10月中HASTC 外国投資家の債券売却額と購入額の比較

ただ、現在は為替レートが安定し、外貨準備資金も充分にあるため、
外国投資家による債券・証券の売買は平常に行われ、市場に大きな影響は与えない。
逆に、この外国投資家の動きは、売却者や購入者にとっては良い機会である。

債券はベトナム信用機関にとって良い投資ルートである。
現在、ベトナム銀行は使用可能資金があまり、今後預金金利が下がる傾向になっているためだ。
外国投資ファンドにとって、全世界の証券市場が連続的に下落する背景においては、
早期にベトナム債券を売却し、最低額でベトナム証券を購入することが
今後大きな利益を作る。

外国投資家は大量の債券を売却するが、購入額も少なくはない(11.1兆ドン)。
他方、多くの契約は、Repoの契約である(売却者は将来特定の株価で債券を再購入する)。
したがって、ベトナム債券は外国投資家にとって、まだまだ魅力的な投資対象である。

最近、債券市場の発展を促進するために、ベトナム債券売買フォーラムが設立し、
ベトナム債券投資家協会の設立が準備されている。
国際財政会社(IFC)はVAFIと協議し、
ベトナム債券投資家協会の設立、活動に対する支援を行う予定だ。


Vneconomy.net  2008年11月3日


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