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2008年12月31日

08年 多くの噂が飛び交った一年


ガソリン、セメント、鉄に続いて、
米の価格が上昇するとの噂まで出た2008年。
大口証券投資家に対する株価操作疑惑で、
調査が発生するなどの事件も発生した。
ベトナム経済史上、今年ほど、
数多くの噂に惑わされたことはなかった。


1) 自動車登録税が2倍に
3月上旬、ハノイ市では、
多くの人が自動車販売代理店やショールームを訪れた。
その理由は、自動車登録税が2倍に、
輸入関税が100%まで引き上げられるという噂があったからだ。
課税強化による、価格上昇を心配してのことだ。
そのため、当面、自動車を買う予定がなかったのに、
預金を叩いて買ったというひともあったとか。

自動車の新規登録申請者の列
自動車の新規登録申請者の列

財務省は検討段階で、具体的な計画がないとしているものの、
以前より、登録税、輸入税、特別消費税、付加価値税と
順に引き上げるという噂は絶えなかった。
消費者は、困惑させられた格好だが、
毎月増加する高級車の注文に、
自動車販売会社はホクホク顔である。

実際には、6ヶ月後に登録税が上がり、
付加価値税の調整も2009年1月1日より有効となる。
特別消費税の適用は2009年4月に延期されたものの、
噂は現実のものとなった。

2)大手証券会社の社長が逮捕
Nguyen Duy Hung-Sai Gon証券株式会社会長兼社長が
社内会議を開催する最中、
市場では、
Hung会長が証券活動違反で逮捕されたという
噂が広まった。

この噂の根拠は
3月上旬頃に知れ渡った、
Hung会長の不透明な財政収支に関する情報である。

ホーチミン市の投資家業界では、
「Hung会長が勝手にSSIを増資した」、
「PPC熱力発電株式会社のIPOの詐欺疑惑」といった
噂が流行っている。

3月12日午後、
SSIは書簡で
Hung会長がまだハノイにいることと、
逮捕された事実はないことを表明した。

 Hung会長とVnExpress.net記者・2008年3月12日午後、SSI本部にて撮影
Hung会長とVnExpress.net記者
2008年3月12日午後、SSI本部にて撮影

従来の「疑惑」という噂から、
今回初めて、社長自身が取引活動違反で逮捕と
その噂の内容はエスカレートしている。
この手の情報は、証券投資家にとって、
非常に関心が高いもので、
特に、市場への影響も大きい。
SSI株式自身への「健康」に影響を与える心配もある。

SSI証券社長逮捕の噂が落ち着いた1週間後、
今度は、VN-Direc会長(Pham Minh Huong)が
逮捕されたとの情報が流れている。
この際も、VNDirect会長は直ちに記者会見を行い、
この噂を否定した。
この噂の原因は
2ヶ月前にVNDSが公安省に対して、
数年前の投資委託商品に関する情報及び証拠を
提供したことに端を発している。

3) 歴史的な「ブーム」 お米の噂
4月末、
世界的な食糧不足が深刻な状況になり、
米不足になるという噂が流れた。
この噂は直ぐに市内各地区に広がり、
ホーチミン市民を大混乱に陥れた。
米不足を心配した市民らは、米の買いだめに走り、
米の価格は通常の1キロ8,000ドン~10,000ドンから
25,000ドン~30,000ドンへと
3倍にも跳ね上がった。
中には一人で100キロも買った人でるなど、
各市場では販売する米の在庫が不足し、
多くのスーパーマーケットでは1人10キロまでと
規制した。

続々に掲示される米の新販売価格
続々に掲示される米の新販売価格

さらに、米の輸出を扱っていない会社も
米を大量に買い付け保管しているなどの噂も出た。

これに対して、ホーチミン市人民委員会、ベトナム食糧協会、
ベトナム政府は、この情報は誤りであると発表、
各政府管理機関はこのデマの打ち消しに躍起となった。
その後、1ヶ月ほどでこの騒動は落ち着いたが、
米の価格は以前よりまだ高い水準である。

4月26日、27日の二日間で一気に広まった米不足の噂により、
ホーチミン市の年初5ヶ月のCPIはこの3年間で一番高くなり、
5月のCPIも4月より4.24%増加するなど、
消費者に対して大きな損害を与えた。

4)ガソリンが1リットル26,000ドン
8月5日、ホーチミン市では
ガソリン代がすぐに26,000ドンになると噂が流れた。
これは、A92ガソリンが、
14,000ドンから19,000ドンに値上げされた直後であった。
これを耳にしたホーチミン市民らは、買いだめのために
ガソリン缶を持って、ガソリンスタンドに押しかけた。

顧客を安心させるため、
多くのガソリンスタンドは平常の販売価格を掲示、
当日夕方、商工省も緊急会見を開き、
ガソリン価格の引き上げを否定した。

ガソリンスタンドに並ぶ人民・Hai Ba Trung通-Nguyen Dinh Chieu通の交差点
ガソリンスタンドに並ぶ人民
Hai Ba Trung通-Nguyen Dinh Chieu通の交差点

公安省はこの噂に関連して、調査を行い、
ガソリン販売業界数社が、
高価格でガソリンを販売するために行った情報操作と断定した。
ただし、現時点において、この噂の犯人はまだ捕まっていない。

5)外国パートナーがSacombank出資から撤退
11月上旬、証券市場では
Sacombank商業銀行株式会社の戦略パートナーである
ANZ銀行が
100%子会社を設立のために
Sacombankへの出資資金を引き上げ
換金するとの噂が広まった。

これに伴い11月11日、
Sacombankは、ANZからの換金要請は一切ないと発表した。
Dang Van Thanh- Sacombank会長によると、
ANZがSacombank株式を売却する場合、
投資契約に基づき、事前に通知する必要かあるという。
さらに、財務省の規定により、
内部株主及び大株主が株式を売却する際は
証券取引所に申請、情報公開する必要がある。
その時点において、ホーチミン証券取引所に対して
ANZからの株式売却申請はなかった。

6) FPT会長が辞職

Truong Gia Binh-FPT株式会社会長
Truong Gia Binh-FPT株式会社会長

12月8日、
Truong Gia Binh氏のFPT株式会社会長職辞職の噂があった。
この噂は証券市場に一気に広まり、
多くの投資家は、
今後のFPTのリーダー不在を心配した。

この噂の根拠は
12月1日にFPTが
Truong Gia Binh氏のFPTソフトウェア(FSOFT)会長辞職を
発表したことに端を発している。
FSOFTはFPTグループの子会社であり、
Binh氏の後任はNguyen Thanh Nam社長であり、
Binh氏は12月1日より会長に就任した。

この情報は発表された際、
多くの投資家が、FPT本体が役員を変更したと間違えた。
投資家業界では、
FPTグループの今後の発展と展望について議論が交わされ、
この噂はFPTの健全性に影響を与えた。


Vnxpress 2008年12月26日


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